ペットとして人気の高いレオパ(ヒョウモントカゲモドキ)はハ虫類の仲間ですが動きや仕草にどこか猫的な雰囲気があり、見ていると和みます。
今回もそんなレオパの行動や習性について解説させて頂きます。
今回のテーマはレオパの吐き戻しとレオパがひっくり返ってしまう原因について解説をさせて頂きます。
Contents
レオパの吐き戻しについて
レオパが食べた餌を吐き出してしまう「吐き戻し」については次に述べる原因があります。
- エサの与え過ぎによる吐き戻し
- 温度の低下による消化不良による吐き戻し
- 給餌の後にハンドリング等の過度な運動をさせた事による吐き戻し
- 床材の誤飲 誤食による吐き戻し
では、一つずつ解説して行きましょう。
エサの与えすぎによる吐き戻し
レオパは1回に与えるエサの量が多すぎると吐き戻す事があります。
これはレオパが良く食べるからとつい沢山エサを食べさせてしまう事によって起きる事があるので飼育者さんは注意が必要です。
レオパをお迎えした直後の飼育開始当初などはレオパが環境に慣れていない為にエサを食べる量もあまり多くない事があるので飼育者さんも注意を払っていると思います。
良くある例としてはレオパが飼育環境に慣れて落ち着いて来た頃、食欲が出て来て与えるだけ食べさせてしまった後などに吐き戻しは見られやすいです。
飼育環境に慣れて落ち着いて来たレオパは食欲が出て飼育者さんが差し出すだけ食べてしまう事もよくあります。
この時にレオパの消化器官のキャパシティを超えてしまうと食べた餌を全部吐き出してしまう事になってしまいます。
レオパの吐き戻しはかなりの体力を消耗させます。
吐き戻したレオパにすぐに餌を与えるのは控えて1週間ほどは新鮮な水を飲める状態で休ませてあげて下さい。
エサの種類の変更後の吐き戻しにも注意!
レオパに与えていた餌の種類の変更後にもまれに吐き戻しは見られます。
- 活コオロギから冷凍コオロギに変更した
- コオロギからデュビアに変更した
- 昆虫系から人工飼料に変更した
上記のように今までメインで与えていた餌から他の種類の餌に変更した後にレオパが吐き戻す事もあります。
これはおそらくレオパの消化器官や消化酵素などが新たな成分や形質といった状態のエサに対して順応するのに時間が掛かる為と思われます。
レオパの餌の種類を変更の際は切り替え直後は少量ずつ新しいエサを与えてレオパの味覚と消化器官への変化を少なくしながら慣らして行くと吐き戻しが無くなって行きます。
温度の低下による消化不良による吐き戻し
レオパはご飯を食べた後はエサの消化にエネルギーを必要とします。
その為、レオパは給餌後にパネルヒーターの上や暖突(ダントツ)の下などのホットスポットエリアで暖まりながらくつろいでいる姿が確認出来ると思います。
この時にパネルヒーターの容量が足りなかったり、壁面にパネルヒーターが設置してありレオパがお腹を温められなかったり、冬場で室内全体の気温が下がってしまっていたりすると消化不良を起こし吐き戻しをしてしまう事があります。
レオパの飼育ケージ内には必ずホットスポットエリア(32~35℃位の温度エリア)を用意して体温が維持できる環境を用意してあげて下さい!
冷凍コオロギの未解凍にも要注意!
また、冷凍コオロギを始めて与える方やメインとして与えている方もレオパに給餌の際には完全に解凍が出来ているかの確認を行いましょう。
手で触れて見てコオロギの内部がまだ凍っていたりするとレオパがお腹を壊して吐き戻す原因にもなります。
自然解凍でも湯銭での解凍時にも徹底した注意を行うよう心掛けてあげて下さい!
給餌の後にハンドリングなど過度な運動をさせた事による吐き戻し
レオパはご飯を食べた後は落ち着いて暖かい場所でゆっくりと食後の時間を過ごしたい生き物です。
レオパにご飯のあとの運動と言って無理なハンドリングなどを行ってしまうと逆に気持ち悪くなって食べた餌を吐いてしまうことだってあり得ますので気をつけましょう。
ハンドリングはレオパがシェルターから出て来てケージ内を徘徊しているタイミングをみて行いましょう。
先にハンドリングで運動をした後にエサを与える分には問題はありませんが可能ならエサの日とハンドリングのタイミングはずらしておいた方が安全です。
床材の誤飲 誤食による吐き戻し
レオパの吐き戻しの原因で一番厄介な原因が床材の誤飲 誤食による吐き戻しです。
もしレオパの飼育ケージ内に以下の種類の床材を使用している時は要注意です。
- ソイル系床材(デザートソイル等)
- ウォールナッツサンド
- デザートサンド系床材
- アスペンマット
- ヤシガラマット(細かいタイプ)
- キッチンペーパー(キッチンペーパーを使用して人工餌を与えている場合)
これらの床材を使用しているケージではレオパが床材を誤飲 誤食している可能性があります。
床材を誤飲誤食したレオパは消化器官が塞がってしまいエサを食べても消化が行えずに吐き戻してしまう事となります。
もしこれらの床材を使用中でレオパの吐き戻しが見られたら一旦床材をペットシーツなど誤飲誤食の可能性の低いタイプに変更し経過を観察します。
2~3週間経過しても食べた餌を吐いてしまったり、うんちをしなかったりした場合は消化器系に異常がある可能性があります。早めに爬虫類の診察が可能な獣医師さんへの相談を行いましょう。
▼こちらの記事でも床材の誤飲誤食について触れていますのでご参照ください。
レオパがひっくり返る
飼育中のレオパが突然ひっくり返る事の原因は神経障害などの先天的な遺伝子疾患によるものと成長期のカルシウムとビタミンDの不足から起こる代謝性骨疾患による強硬性痙攣などが考えられます。
レオパの品種の中には血統や系統により近親交配の弊害による先天的な神経障害を発症しやすいといった遺伝的な疾患を抱えているものもあります。
具体的な品種はエニグマやW&Y(ホワイトアンドイエロー)といった品種や神経障害ではありませんがレモンフロストといった品種は腫瘍が発生する確率が高い事も近年は知られています。
これらの先天的な疾患を抱えた個体への明確な治療法が現在ではありません。
先天的な神経障害を持った個体はそれによってすぐに生死に関わる事は少なく、たまにひっくり返ったりクルクル回ってしまう事もありますが栄養バランスの良い給餌を心がけて通常の飼育方法を行う事で寿命を全うさせてあげる事も飼い主さん次第で十分可能です。
そのような個体を飼育中の方はもしもの時の為に爬虫類の診察が可能な獣医師さんへの相談も行い個体毎の指示を仰ぐことも行いましょう。
成長期のレオパのカルシウム不足に注意!
次は後天的におこるレオパのひっくり返り、成長期のレオパへのカルシウムとビタミンD不足による代謝性骨疾患による強硬性痙攣です。
これはレオパの給餌の際にカルシウム剤(ビタミンD3配合タイプ)を使用する事で未然に防ぐことが出来ます。
特に生後1年未満の幼体期は毎回の給餌の度にカルシウム剤(ビタミンD3配合タイプ)を添加しても大丈夫ですので丈夫な骨格のレオパに育てて病気を未然に防ぎましょう。
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