ミシシッピニオイガメ 紫外線の必要性

ミシシッピニオイガメ ハ虫類(カメ類)

ミシシッピニオイガメを始めて飼育される方には他の爬虫類の飼育と同様に紫外線ライトによる照射が必要なの?といった疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

今回はミシシッピニオイガメ飼育における紫外線の必要性について解説させて頂きます。

コスト的な予算の都合で紫外線ライトの購入を悩んでいる方にも代替案がありますので参考にして頂けますと幸いです。

それでは解説に行きましょう!\(^o^)/

ミシシッピニオイガメに必要な紫外線

ミシシッピニオイガメを飼育する時に紫外線ライトは必要か?

専門ショップでは比較的良く質問される内容です。

このご質問に対する返答は?

「もちろん必要です!但し、定期的にカメ(ミシシッピニオイガメ)を日光浴させてあげる事が出来れば紫外線ライトを設置しなくても飼育は可能です!」

と言ったお答えをさせて頂いていました。

野生のミシシッピニオイガメは日中に体温を上げる為や流木の上等で体を乾燥させる為に定期的に日光浴を行います。

この時、同時に紫外線(UVA,UVB)を浴びる事により体内でビタミンD3を生成し成長や生存に必要なカルシウムの吸収を行います。

爬虫類はその種類に必要な量の紫外線を浴びないと成長不良を起こしたりクル病と言われる骨の代謝異常を引き起こす原因ともなり最悪の場合死に至ります。

ミシシッピニオイガメは基本的に水中での活動をメインとした生活様式を送っています。その為、紫外線の要求量自体はそれほど多くないので大掛かりな紫外線照射設備を用意しなくても飼う事が出来る訳です。

ペットとして古くから親しまれているミドリガメやクサガメと言った水棲カメはニオイガメの仲間よりも紫外線の要求量が多く(特に販売されている幼体時程顕著です)紫外線不足による病気に掛かりやすい傾向があります。

飼育難易度や最終的な成体の大きさも含め今後はミシシッピニオイガメやカブトニオイガメがペットとして普及していくものと思われます。

紫外線ライトで人工的な日光浴が可能

ミシシッピニオイガメを飼育する時は飼育容器など必要な設備に紫外線ライトも用意出来れば設備としては万全です。

紫外線ライトはクリップソケットで固定する電球タイプが主流となっています。

紫外線ライトはUVAとUVBの照射を含む物がありミシシッピニオイガメにはどちらも必要です。

爬虫類の種類に併せてUVAとUVBの照射レベルに差がありますがミシシッピニオイガメを飼育する時は比較的ソフトなタイプの使用で大丈夫です。

GEX エキゾテラ レプタイルUVB 100 13W or26W

ビバリア スパイラル UVB フォレスト 26W

等が手頃でお勧めです。これらを専用クリップソケットに装着し使用をします。

ミシシッピニオイガメを飼育する時はカメ用のスロープやカメ用浮島を使用し水面付近に陸地や足場を設置します。その陸地付近に紫外線ライトが照射出来るように角度を調整しましょう。

また紫外線ライトと同時に保温用のバスキングライトの設置の有無も聞かれる事がありますがミシシッピニオイガメの飼育環境に水中ヒーターを使用して水温が25℃以上を保つ事が出来ていれば殆どの場合はバスキングライトの設置と使用は行わなくても大丈夫です。

バスキングライトの使用は日光浴時の体温の上昇を目的とします。

これは水温が低い状況の時ほど頻繁に見られます。

気温が低い時期のプール等を思い出してみて頂くと分かりやすいのですが長時間冷たい水中にいると人も体温を奪われ段々と寒く感じます、その後プールから上がり太陽の光を浴びながら身体を温めている時の感覚と言ったら分かりやすいと思います。

ミシシッピニオイガメの飼育水温が25~30℃前後を常に保てている環境であればバスキングライトの使用は無くても問題ありません。

例外として皮膚病を患ってしまった個体や水カビ等が皮膚に付着した個体等は積極的に陸に上がり皮膚を乾燥させ自然治癒を行おうとすることがあり、このような状態の個体には陸地で皮膚を短時間で乾燥できるバスキングライトの使用は効果がありますので状況に併せた使用をお勧め致します。
またもう一つの例外として成熟したメス個体の中には単独で飼育していても成熟度に併せて体内で抱卵しのちに無精卵を産み落とす事があります。この成熟したメス個体は産卵前になると食欲低下が見られたり頻繁にバスキングを行なったりする行動が見られたりもしますので普段と様子が異なる際の参考にしてみて下さい。

コストを抑えた日光浴方法

ミシシッピニオイガメを飼育されている方、これから飼育をしようと検討されている方で水槽や飼育ケースの大きさ、周辺の使用できるコンセントの数、または飼育環境に充てられる予算の都合などにより場合によってはすぐに紫外線ライトの設置が出来ない、難しいといったご事情を抱えていらっしゃる方もおられるでしょう。

そのような方でもお金を掛けずにミシシッピニオイガメに紫外線を供給出来る方法があります。

それはミシシッピニオイガメを定期的に太陽の光で日光浴させる事です。

この方法は簡単なようでいて実際の効果もありますが注意するポイントがいくつかありますのでご紹介致します。

  • 窓越しでない直射日光を当てる
  • 真夏と真冬は温度変化に特に注意
  • 屋外で日光浴の際は鳥や猫等に注意が必要

窓越しでない直射日光を当てる

まずミシシッピニオイガメをプラケースなどに移します。

このケースを窓越しではない太陽光に5~15分程度当ててあげるだけです。

これを1週間に1~2回程度を目安に行うだけ!

それだけでミシシッピニオイガメには十分な量の紫外線の恩恵を受ける事となります。

ポイントはガラスの窓越しでは無い部分です。ガラスはUVBをカットしてしまうので太陽光の恩恵を最大限に受ける為には直接の太陽光が必要となります。

真夏と真冬は温度変化に特に注意

ミシシッピニオイガメを日光浴させる時に注意したい部分が太陽光によるカメのオーバーヒートです。特に日光浴用のケースでは体温が暖まりすぎた時にカメが逃げられるスペースや日陰が無い事が多く小さいケースでの場合は特に注意し目を離さないようにしましょう。

真冬の場合は反対に陽が当たらなくなると途端に冷えます、また室内と外気の気温差がありすぎるとミシシッピニオイガメの呼吸器系に異常をきたす事にもなり兼ねないので真冬も注意が必要です。

真夏と真冬の日光浴は短時間でミシシッピニオイガメの状態を悪くしてしまうリスクを払います。ミシシッピニオイガメが小さい個体の場合や飼育し始めの方はこの時期の日光浴は無理に行わずに飼育した方が安全ですのでご参考までお願い致します。

屋外での日光浴の際は鳥や猫等にも注意が必要

ミシシッピニオイガメを日光浴させる際に太陽光を浴びせる為に庭先やベランダ、バルコニーなどに容器を出して日光浴を行う方もいらっしゃると思います。

その時に注意が必要な生き物がいます。カラスや野良猫などによる被害です。

これらは人が近くに居ない事を察知し一瞬でミシシッピニオイガメを連れ去る可能性がある為です。

防止策としてはフタができるプラケースにカメを入れて日光浴させるまたは飼い主さんも日光浴に付き添い見守るといった方法があります。

特に小さい個体ほどリスクが上がりますので注意を払いながら日光浴を行って頂けますと幸いです。