ミシシッピニオイガメと混泳|魚やエビ一緒に飼う為の環境作り

common musk turtle
ハ虫類(カメ類)

小型で水槽飼育に最も適しているミシシッピニオイガメ

熱帯魚ショップや爬虫類ショップの中ではレイアウト水槽にミシシッピニオイガメのベビーを泳がせて展示販売されている所もあり伸び伸びと水槽を泳ぐ姿に癒されたりもします。

今回はミシシッピニオイガメの混泳について解説させて頂きます。

  • ミシシッピニオイガメの混泳に必要な設備
  • ミシシッピニオイガメと混泳可能な生き物の種類
  • ミシシッピニオイガメ 混泳時の注意点

ミシシッピニオイガメの混泳に必要な設備

ミシシッピニオイガメは水棲傾向の強い種類です。

生涯の大半を水中で過ごすのでアクアリウムでの飼育が可能です。

水棲傾向の強いミシシッピニオイガメですが空気を吸う為の息継ぎが必要です。
その為、水槽で飼育する時は息継ぎがし易いように水面付近にスロープ等で足場を用意してあげて下さい。
ミシシッピニオイガメは水深のある環境に慣れると器用に息継ぎを出来るようになりますが、飼育開始当初はスロープ等の足場は必ず用意しましょう。

ミシシッピニオイガメの混泳飼育に必要な設備は以下のようになります。

  • 水槽
  • ろ過装置(フィルター)
  • ヒーター&サーモスタット
  • 水温計
  • LEDライト(照明器具)
  • レイアウト用品(砂又はソイル、水草、流木、石等)
  • ミシシッピニオイガメ用足場(スロープ、カメの浮島等)

水槽サイズは余裕を持って大き目のサイズの方が失敗が少ない

ミシシッピニオイガメのベビーから幼体サイズ(甲長2~5㎝前後)は他の生き物との混泳がし易く、また初めて飼育される方の多くはこのサイズで入手される事が一般的です。

このサイズのミシシッピニオイガメを他の生き物と混泳させて飼育する時に必要な水槽サイズは以下のように

幅30㎝×奥行き30㎝×高さ30㎝ このサイズが混泳飼育に失敗しない為の最低ラインとなります。

もし設置場所と強度に余裕がある方は幅60㎝×奥行き30㎝×高さ36㎝

上記の60㎝レギュラー規格の水槽が用意できると水槽自体の観賞的なバランスも良くミシシッピニオイガメが成長し大人のサイズ(甲長12㎝前後)になった後の終生飼育も可能な事からお勧めです。

更に大きなサイズ(90㎝水槽、120㎝水槽)での飼育ももちろん可能です。
広々とした飼育環境で伸び伸びと泳ぐ姿は見ていてとても気持ちが良い気分になります。是非余裕を持った飼育環境を提供してあげましょう。

ろ過装置(フィルター)も水槽サイズに合わせた物を

ミシシッピニオイガメは活発に泳いで良く餌を食べ水を汚す生き物です。

ミシシッピニオイガメに限らず水棲カメの飼育を始める前に気になる部分が水の臭いです。

ミドリガメやゼニガメ(クサガメの幼体)を飼育された経験をお持ちの方はあの水が腐ったような不快な臭いを思い出すのでは無いでしょうか?

ミシシッピニオイガメを水槽で飼育する時は水槽サイズに余裕を持たせ適切な容量のろ過装置(フィルター)の設置を行い飼育水を循環させる事で殆どの場合は不快な臭いがせずに飼育を行う事が出来ますので安心してください。

水棲カメの飼育で気になるニオイの原因はカメの糞や尿、餌の与え過ぎによる食べ残し等が飼育水から空気中へと漂う為です。
特に気温の高い時期は餌の残りなどの腐敗が早いので水の汚れ=不快なニオイに繋がりやすくなります。
解決策としては飼育水が汚れたら放置せず直ぐに水を新しく交換する事、もしくは水量の豊富な飼育環境とろ過装置を設置し飼育水を循環させニオイの原因を分解させるシステムでカメを飼育するかの二通りの手段があります。

30㎝サイズでは外掛け式フィルターが使いやすく便利です。

60㎝サイズで外掛け式フィルターや上部式フィルター、外部式フィルターといった種類がありますので好みと用途に合わせたものをチョイスしてください。

保温器具はオートヒーターがお勧め

ミシシッピニオイガメのベビーから幼体サイズの適温は水温25~30℃前後

水槽内の温度を一定に保つ熱帯魚用のオートーヒーターは水温が26℃±に予め設定されているので便利です。

水温が適温に保たれているか水温計も設置して温度チェックも忘れずに行いましょう。

昼夜のメリハリをつけるLEDライトの設置も忘れずに

水槽飼育でミシシッピニオイガメを楽しむ時はLEDライト(照明)の設置を行いましょう。

LEDライトの有無は水槽内の見た目を大きく左右します。

照明の点灯時間が長いとガラス面等にコケが発生し易くなります。1日の点灯時間は6~8時間程度に留めておくとコケの発生を抑制出来ます。

レイアウト用品 砂やソイルは水質安定重視で!

水槽内のレイアウトに必要な砂やソイルは見た目よりも機能性を重視しましょう。

ミシシッピニオイガメの混泳飼育のポイントとして水質を安定させる事が重要です。

ミシシッピニオイガメと一緒に魚やエビを飼育するにはこれらの生き物が健康な状態で飼育出来る環境作りが必要となります。

フィルターと共に水質維持効果の高い種類の砂利やソイルの使用をお勧め致します。

水草を植える場合は育成の容易なアナカリスアヌビアス ナナミクロソリウムと言った丈夫な種類を選びましょう。

水草と共に流木や石等で立体感を出すと水中でのミシシッピニオイガメの泳ぎ方に変化も見られ楽しくなります!

ミシシッピニオイガメと混泳可能な生き物の種類

ミシシッピニオイガメと混泳可能な生き物は以下のような種類です。

  • 小型熱帯魚(動きの速い泳ぐ種類)(テトラ系、レインボーフィッシュ系、ダニオ系、ラスボラ系など)〇
  • コリドラスの仲間〇
  • オトシンクルス、小型プレコ系〇
  • メダカ、ドジョウ〇
  • エビ類(ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ、チェリーシュリンプ系)〇
  • カブトニオイガメ(ミシシッピニオイガメと同サイズの個体)〇

これらの種類はミシシッピニオイガメの混泳で上手く行きやすい組み合わせです。

では混泳に適さない生き物も併せてあげて置きます。

  • 金魚(琉金、出目金、ピンポンパールなど)×
  • ベタの♂ ×
  • ウーパールーパー ×
  • アカハライモリ ×
  • ザリガニ ×
  • サワガニ ×
  • 石巻貝やタニシ類 ×

金魚やベタなどは動きがゆっくりとしていてヒレが長い品種が多くミシシッピニオイガメが齧る可能性が高くなります。またイモリやウーパールーパーと言った両生類も動きが比較的穏やかでこれらも齧られる危険性があります。

ザリガニやサワガニなどハサミを持つ甲殻類はミシシッピニオイガメを傷つけてしまう可能性があり危険です。

巻貝はミシシッピニオイガメが好物とする生物ですので食べられてしまう可能性が高くなるのであまりお勧めは致しません。

上記のような理由から混泳出来る種類はミシシッピニオイガメから食べられないような瞬発力を持ち且つミシシッピニオイガメを攻撃しない種類となって来るわけですね。

ミシシッピニオイガメ 混泳時の注意点

最初にミシシッピニオイガメ以外の生き物を導入

水槽のセッティングが終わったらまず最初に魚やエビを飼い初め環境に慣らします。

出来れば1週間以上~数週間、カメ以外の生き物を飼育し順応させます。

ミシシッピニオイガメの導入は可能な限り最後にすることで他の生き物達がミシシッピニオイガメから食べられそうになった時に逃げられるような状態にしておきます。

今回の混泳可能な種類の生き物達の中ではミシシッピニオイガメが最も上位の捕食者になります。

当然それらの生き物をミシシッピニオイガメは食べられるようなら食べようとします。

それを回避出来るように他の生き物達を先に水槽内環境に慣らしておく訳です。

混泳開始後はミシシッピニオイガメの空腹に注意!

ミシシッピニオイガメを混泳させてからはカメを長時間空腹状態にしないよう気をつけます。

一日に2~3回程は餌を与えてミシシッピニオイガメを人工餌に慣らしましょう。人工餌に慣れたミシシッピニオイガメは他の生き物を積極的には追いにくくなる傾向があるので食べ物=人工餌だと認識してもらうようこまめに餌を与えて下さい。

餌の量の与え過ぎによる急成長に注意!

ミシシッピニオイガメの幼体時の混泳での注意点として他の生き物への関心を和らげる為、こまめに餌を与えて空腹状態を避けるよう説明をさせて頂きました。

ここで大事なポイントがあります。

それは餌を与える度に満腹になるまで人工餌を与えてしまう事です。

栄養価の高い人工餌を毎日十分に食べ続けるとミシシッピニオイガメの幼体はぐんぐんと確実に成長します。

成長と共に力も強く泳ぐスピードも向上し今まで捕まえられなかった生き物を食べられるようになる確率も上がってきます。

ミシシッピニオイガメが健康に成長していく事は歓迎すべき事なのですが混泳をテーマに他の生き物との共存を続けるには何処かで飼育者による介入(調整)が必要となってきます。(例えば1回で与える量を2~3粒にしておく)

ミシシッピニオイガメの幼体の可愛らしい時期は与える餌の回数と量次第であっという間に過ぎてしまいます。少しでも長く混泳状態を楽しみたい方は餌の量を少しだけ控えつつ混泳のバランスを取れる量を探してみて頂けますと幸いです。