レオパに最適な床材とは?誤飲誤食の少ない床材選び

leopard gecko
レオパードゲッコー

どこか猫的な雰囲気も持つレオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)(以下レオパ)ペットとしての人気が高く初めて飼うペットとしてレオパを選ぶ方も増えて来ています。

今回は初めてレオパを飼う方向けの床材の解説と注意点についても紹介致します。

レオパにお勧めの床材 ペットシーツ

初めてレオパを飼う方におすすめしたい床材はペットシーツです。

ペットシーツは犬猫用に市販されているものを使用します。

ペットシーツのサイズが大きい場合はケージの大きさに合わせて折ってサイズを合わせて下さい。

ペットシーツのメリット

ペットシーツのメリットはレオパの誤食による事故がほぼ無い事です。

砂や砂利系、ソイル系などレオパの口に入る大きさの床材は少なからず誤食の可能性がありレオパの個体次第ではそれらの床材を使用出来ない場合があります。

またペットシーツは吸水ポリマーにより水分を蓄える機能があり冬季の乾燥しやすい時期やレオパの脱皮前に湿度を上げた状態を維持したい時などにペットシーツを軽く湿らせる事で湿度の保持と乾燥し過ぎを防いでくれるのでとても便利でレオパにとって使いやすい床材です。

レオパは通常ですとケージの隅の方に決まった場所で糞と尿酸(白い固形物状の物)をするようになります。その都度に糞と尿酸をすぐに取り除くようにしてあげればペットシーツ自体の交換も数週間~1ヵ月前後に一回程度で済ます事も可能です。(もちろんケージ内を清潔に保つ為に毎週シーツ交換しても構いませんその辺りは飼育者さんのライフスタイルや間隔に併せましょう。)

ペットシーツはレオパの糞の独特な匂いをある程度抑える効果もあり消臭機能も備えており、飼い主さんの日常生活にも対応出来る優れた製品といえるでしょう。

ペットシーツを床材にした場合ですとレオパの糞や尿酸が直ぐに確認出来る為、掃除もしやすく清潔な環境でレオパを飼育したい方にもお勧めです。

レオパの床材に迷った方はペットシーツを使用して頂ければ問題無いでしょう。

レオパにお勧めの床材 キッチンペーパー

レオパにお勧めの床材、お次はキッチンペーパーです。

キッチンペーパーは比較的小型のケージで使われるケースが多いです。ケージのサイズに合わせて折って使用します。

キッチンペーパーには漂白済みの白いタイプと無漂白のパルプのそのままの茶色いタイプがあります。

漂白加工成分によるレオパへの影響は現在の所、見受けられませんが気になる方は無漂白タイプのキッチンペーパーの方をお勧め致します。

キッチンペーパーのメリット

キッチンペーパーのメリットは使い勝手の良さと圧倒的なコストパフォーマンスにあります。

コスパの良さから汚れてもすぐに交換できるのでケージ内を清潔に保てます。

特にレオパのブリーダーさんや海外の大規模な繁殖施設などコストと利便性を重視した環境ではキッチンペーパーは使用頻度は高くプロ仕様の床材と言えます。

キッチンペーパーのデメリット

レオパの床材としてのキッチンペーパーのデメリットは素材が軽い為、生体がキッチンペーパをめくってしまったり、めくった部分が水入れに入ってしまいケージ内が濡れてしまうといった事が度々起こります。

解決策としては四隅を水入れやシェルター等のアイテムで抑えてレオパによる床材掘りを防ぐか、キッチンペーパーを糞をする定位置付近のみに折って敷き使用する等、工夫が必要な事もあります。

キッチンペーパーを使用した飼育では稀にレオパが誤食してしまうケースがあります。誤飲誤食はレオパの腸閉塞や吐き戻しの原因にもなるので気を付けておくべきポイントです。

これは餌を与えた際に人工飼料やゲルフード等がキッチンペーパーに付着した場合や活コオロギやミルワームなど昆虫の体液が付着したり冷凍コオロギから出るドリップ(これも体液です)などがキッチンペーパーに付着したままの状態で放置すると後日空腹になったレオパがその付着部分を舌で舐めた際にエサと勘違いしその部分を誤って食べてしまう事があります。

レオパは良く舌を出し触れるものを確認しています。これは自分の匂いが付いているか(テリトリーの確認)、食べれるものかの確認(この時点で動かないものでも食べた事のある匂いの場合、反射的に餌として認知し食べてしまう事があります。)

レオパは舌による周辺環境の情報収集が大きい動物です。匂いや味が床材に付いた場合は速やかに新しいものへ交換をしましょう。

またレオパのモルフ(品種)によっては視力が弱く餌を与えた際に間違えて床材を咥えてしまいそのまま食べてしまう事もあります。(特に視力の弱いアルビノ系は注意が必要です)

個体にも寄りますがレオパは餌を食べるモードにスイッチが入ってしまうと一度加えたものがキッチンペーパーであっても食べてしまうような事があります。(特に成長期のがっつきさんな子に多かったりします。)

給餌の際でしたら飼育者さんが直ぐに止めに入って頂ければ大丈夫だと思いますが飼い主さんの居ない所で間違った誤食をされてしまうとレオパと飼い主さん双方が困ってしまいますので注意が必要です。

レオパの使用に少し注意が必要 アスペンマット

アスペンマットは広葉樹ポプラが原料の小動物用の敷材として作られた床材です。

アスペンマットは同じ爬虫類のコーンスネークやキングスネーク等のヘビ類での使用例が一般的ですがレオパに使用する事も可能です。

アスペンマット メリット&デメリット

アスペンマットはケージ全体に敷き詰めて使用します。糞や尿酸はレオパが定位置でするようになればその都度汚れた部分のみを捨てれば良いので経済的です。

アスペンマットのデメリットとして給餌の際に誤食しやすい点があげられます。餌以外の誤飲誤食はレオパの腸閉塞や吐き戻しの原因にもなります。

特に活コオロギなど生き餌を入れっぱなしにする与え方だとレオパがコオロギを咥えた際にアスペンマットを一緒に食べてしまう事があるので注意が必要です

これらを防ぐには給餌の際はピンセットで確実に食べさせる等の配慮が必要となります。

またアスペンマットでの糞の匂いの消臭効果は余り期待出来ませんので匂いの気になる方は糞はその都度取り除く事をお勧め致します。

素材の特性上から微粉が混ざる事がありデリケートな個体では目を閉じ気味になったり(アルビノ系は強い光を嫌うため日中は閉じがちです)呼吸に異常でる場合があります。このような時は速やかに床材を別の低刺激の素材(ペットシーツorキッチンペーパー)に交換しましょう。

レオパの使用に注意が必要 ウォールナッツサンド

ウォールナッツサンドはクルミの殻をクラッシュした床材で消臭効果も高く使いやすい床材です。

自然に近い雰囲気のレイアウトをした環境でレオパを飼いたい方にもお勧めの床材です。

ウォールナッツサンドのメリット&デメリット

ウォールナッツサンドは自然に近い見た目の良さと消臭効果、適度な保湿性もありレイアウトの雰囲気を大事にしたい方に最適な床材です。

レオパと同じくペットとして人気の高いフトアゴヒゲトカゲの飼育ではウォールナッツサンドの使用例が多いのも特徴です。

ウォールナッツサンドのデメリットとしてやはり誤食があげられます。餌以外の誤飲誤食はレオパの腸閉塞や吐き戻しといった症状の原因にもなります。

これを防ぐにはキッチンペーパーの部分で解説したように給餌の際の与え方に配慮し、活餌を入れっぱなしにしない、餌の匂いを床材に付けないようにするといった部分に気を付ける必要があります。

レオパの使用に注意が必要 デザートソイル

デザートソイルは天然素材の赤土を高温で燃焼し細かい球状に加工した床材です。土系素材のネックである粉塵の発生を極力抑えてあり使いやすい床材となっています。

デザートソイルのメリット&デメリット

デザートソイルはレイアウトケージで映える見た目の良さと優れた吸湿性を持ち更に高い保湿性も兼ね備えているので湿度調整がしやすい所が大きな特徴です。

日本の冬季など特に空気が乾燥しやすい時期やレオパの脱皮前など湿度を上げたい時などにデザートソイルに必要な分、水を加えるだけでケージ内の保湿効果が得られます。

またデザートソイルを湿らせた状態での消臭効果も高く機能面でも優れた床材と言えます。

デザートソイルのデメリットですがやはり避けて通れないのがレオパの誤食です。

対策としては給餌の仕方の工夫(生き餌の入れっぱなしをしない)ピンセットで確実に食べさせる、餌の匂いを床材に付けないといった部分に気をつける所にあります。

レオパの床材 誤食防止策

なぜレオパの誤食がこれだけ上げられるかを考えてみましょう。

それにはレオパの習性について知る必要があります。

レオパは舌を頻繁に出し周囲を舐めて確認と認識を行います。レオパを手に乗せると手のひらを軽くペロっと舐められたりしますよね。

ショップなどでメンテナンスの際にコオロギやデュビアなど餌昆虫を触った後、手に匂いが付いたままレオパを手に取ろうとすると軽く舐めた後、いきなり噛みつかれる事がありますがこれは餌の匂いにレオパが反応した為です。

その位レオパは餌の匂いや味に敏感な生き物なのです。

レオパの好きな匂いや味が舌で確認出来れば素材が紙でも砂利でもくるみの欠片でも土を固めた粒でも食べてしまうわけです。

防止策としてはとにかく餌の匂いや痕跡を床材に残さない事とお伝えしてきました。場合によっては給餌の時だけ別のプラケース等にレオパを移して餌を与えても良いですね。

ただそこまでしても誤食の事故が多く見受けらるのも事実としてあります。

何か他に原因になりそうな要因が無いかレオパの習性を再度あたります。

するともう一つの可能性が見えてきました。

それはレオパは「カルシウム分を自ら摂取する」という習性です。

野生下でのレオパの習性として自然下でのカルシウム等のミネラル分の摂取があります。おそらくですが野生のレオパの生息地ではカルシウム分やミネラル分を含む鉱石や土壌等をレオパは舌で確認し必要な分を摂取しているのでしょう。

そしてそれらの成分はレオパに消化吸収されレオパの身体を形成する要素として取り込まれているのでしょう。

このカルシウムとミネラル分を摂取するというレオパの習性と飼育下での床材の素材と成分の違いによる部分が餌以外によるレオパの誤食と誤飲の可能性として考えられます。

これはすべての個体に当てはまる事とは言えませんがレオパの習性と紐づけるとどのような個体でも誤食を行う可能性は有り得る部分となりますので飼育者の皆様はご参考までにして頂けますと幸いです。

ペットとしてレオパを飼育する時は床材の種類と特性に加えてレオパの習性についても理解を深めて頂けますと不幸な事故を未然に防ぐことになりますので宜しくお願い致します。