レオパの健康 脱皮の周期と頻度

leopard gecko
レオパードゲッコー

初めてレオパ(ヒョウモントカゲモドキ)を飼育していて気になる事が脱皮についてです。

「レオパはどれ位の頻度で脱皮するのか?」「脱皮の前や後に飼育者がする事は?」などの疑問についての解説をさせて頂きます。

レオパの脱皮の周期は?

レオパはハ虫類の仲間です。

ハ虫類は成長と共に古い皮膚を脱ぐように剥がして行く事で大きくなっていきます。

レオパも成長期ほど脱皮の頻度が高くなり、成長するにつれて段々と脱皮の周期が長くなります。

レオパの脱皮周期の目安(サイズ別)

  • ベビー~幼体期 約1ヵ月に1~2回程(生後数ヵ月はもう少し多い時もある)
  • 生後1年前後 約1~2カ月に1回程度
  • 生後3年以降の成体 数か月に1回程度

上記のようにレオパの成長段階により脱皮の周期は様々です。

またレオパの飼育環境や飼育温度、与えている餌の種類や量、回数などによっても脱皮の周期と回数は変化します。

良く食べて成長する個体ほど脱皮の更新速度が速くなります。

レオパの脱皮の兆候

レオパを飼育していると脱皮の数日前から体色が少しくすんだようになりやがて体全体が白くぼやけたような状態になります。

その後、一旦体色が元に戻り数日後に脱皮が始まります。

レオパの脱皮は鼻先などの顔の先端部分から剥ける事が多く器用に頭からスルスルとスムーズに向けて行くと無事に成功です。(時間にして数分~数十分で終えます)

この時ほとんどのレオパは脱皮殻を自分で脱ぎながら食べてしまう事が多く、脱皮の瞬間を飼育者さんが見届けられない事も良くあり脱皮に気付かないことも間々あります。

特に飼育者さんが寝てしまっている深夜の時間帯やシェルターの中でひっそりと脱皮を終わらせてしまっている事も多いので飼育者さんはレオパの様子を日頃から良く観察して頂くことをおすすめ致します!

脱皮をスムーズに行う為の準備

レオパが脱皮をスムーズに行う為には個体の健康状態の維持と適度な湿度が必要です。

健康状態の維持にはサプリメントの添加も忘れずに!

健康状態の維持には日頃からの十分な量と回数の給餌の他に餌だけでは不足しがちな栄養分(サプリメント)の定期的な添加を餌に行い給餌をしましょう。

サプリメントは大きく分けて2種類あります。

  • 爬虫類用 カルシウム剤
  • 爬虫類用 ビタミン剤

この2種類を定期的に餌にまぶして与え、不足しがちな栄養分を補給し健康状態を向上させます。

成長期のレオパには毎回の給餌の際はカルシウム剤を少量ずつまぶして与えます。

ビタミン剤は与え過ぎによる弊害もあるので1~2週間に一度程度に留めておきましょう。

脱皮前の湿度上昇も忘れずに!

レオパに脱皮の兆候が見られたらスムーズに脱皮を行なえる準備を行います。

ケージ内の湿度を一時的に上昇させる事でうるおい感を出し脱皮の成功率を上げる訳です!

脱皮の兆候が見られたらスプレーなどでケージ内に霧を吹き一時的(30分~数時間程度で元に戻る位で大丈夫です)に湿度を80%以上まで上げます。

普段からレオパのケージに霧を吹いている方もそのまま継続してあげて下さい。

このスプレーによる霧吹きは脱皮が終わるまで継続してください。

またスプレーでの湿度上昇が出来ない方はウェットシェルターの設置を行いケージ内に湿度の高いエリアを作りましょう。

脱皮不全が見られたら?

レオパは脱皮前の健康状態や脱皮の際の湿度などが適切であれば体全体の古い皮が綺麗に剥けて体表に残る事はありません。

ただ、以下のような状況では体表に古い脱皮の殻が残る事があります。

  • レオパのコンディションが優れない時の脱皮
  • ケージ内温度が低く活性が悪くなっている時
  • ケージ内の湿度が不足している時
  • 冬場の暖房時など特に空気が乾燥しやすい時期
  • 元々脱皮が上手く出来ない個体

上記のような場合は栄養状態や飼育温度、湿度の調整、修正を行って下さい。

古い脱皮殻を取り除く方法

もしレオパに古い脱皮殻が見られるようでしたらなるべく早めに取り除いてあげたい所です。

軽度の脱皮不全や個体がちょっとのんびりした子の場合は頭の上や尻尾周辺などに残った殻は飼育者さんが簡単に取ってあげる事が出来ると思います。

注意しなければいけないポイントは

  • 手や足の先、指の部分の脱皮不全
  • 瞼周辺(まぶたや目の脱皮不全)

上記の2点は要注意ポイントとなります。

手足の指の部分の脱皮不全は放置すると脱皮殻が溜まってしまい指先への血行が悪くなり最悪は指先の壊死へと繋がります。

まぶたの脱皮殻も厄介です。まぶたに残った古い脱皮殻はレオパの眼球を圧迫し

「レオパが目を閉じたまま開かない」

「レオパが目をつぶりがちになる」

「レオパの目ヤニが多い」といった症状を引き起こします。

レオパの品種の中にはアルビノ系品種は強い光を嫌い明るい環境では目を閉じがちな品種や個体も居ます。
そのような個体は部屋を少し暗くして給餌の際にきちんとまぶたを開いているかの確認を行って下さい。

手足の指の脱皮不全の対処の仕方

もし飼育中のレオパの指に脱皮不全が見られたら温浴を行い様子を見ます。

35~40℃前後のぬるま湯にレオパを10分程漬けて古い脱皮殻をふやかします。

温浴後にふやけた古い脱皮殻をピンセット等で軽く引っ張り様子を見ます。

軽度な状態でしたらこの時にスルッと剥けてくれるので次の脱皮時にも注意をして置きましょう。

脱皮不全を長期間患っている個体だと中々簡単に剥けない事も多く大変です。

このような時は古い脱皮殻が皮膚と癒着し簡単には剥がれません。

無理に力を入れて引っ張るとレオパが痛がってしまいます。強引に引っ張ると脱皮殻と共に爪が根元から抜けてしまったり指や腕の脱臼などもありますので強い力では引っ張ってはいけません。

このような時は温浴を数日間の間繰り返し、徐々にふやかし様子を見てみるかなるべく早期に爬虫類を診断してもらえる獣医師さんに相談を行って下さい。

まぶた周辺の脱皮不全の対処法

脱皮不全として注意が必要なまぶたや目の周辺の古い脱皮殻の取り除き方ですが素人での処置が難しく可能な限り爬虫類を診察できる獣医師さんの元での対応を行って頂きたいです。

眼球を傷つけないように生理食塩水でまぶたの周辺をふやかしてからピンセットでゆっくりと摘まみ除去を行う為、軽度の症状であれば飼育者さんでの対応も可能ではあります。

レオパの症状に限らずペットの異常の判断が飼育者さんの方で出来ない 、難しいと感じた時はまずは購入したショップさんや獣医師さんへ相談し指示を仰ぐような対応も必要ですので宜しくお願い致します。
レオパは個体によっては健康な状態の個体でも体質や年齢によっては脱皮の時に綺麗に古い皮が剥けずにボロボロと部分的に剥がれて脱皮する事もあります。
このような脱皮を行う個体も脱皮後に古い皮が残っていないかの点検を行って頂き、古い皮が残っていなければ大きな問題はありませんので個体毎の体質などにも気をつけて頂くようお願い致します。

最後に

レオパの脱皮は健康状態を確認するためのバロメーターでもあります。

日頃の観察を良く行う事で脱皮の兆候と対策を行いレオパとの楽しい時間を長く過ごして頂けますと幸いです。