メダカ水槽のコケ対策|タニシを同居させた飼育方法

ヒメタニシ メダカ

メダカを水槽で飼い始めてから悩まされる問題の一つとして

ガラス面に付着するコケ(茶ゴケや緑色のコケ)です。

コケがガラス面に発生するとメダカを観察し辛く観賞的にも良くありません。

今回はメダカ水槽のコケ対策として混泳にお勧めのタニシについて解説させて頂きます。

  • メダカ水槽に最適なタンクメイト ヒメタニシ
  • ヒメタニシの食性
  • ヒメタニシを入れる事による効果
  • ヒメタニシの長期飼育 注意点

メダカ水槽に最適なタンクメイト ヒメタニシ

日本国内に生息しているタニシは1種類ではありません。日本国内にはマルタニシ、オオタニシ、ナガタニシ、ヒメタニシの4種類が生息しています。

田んぼの害虫的な存在として知られているジャンボタニシと呼ばれるスクミリンゴ貝は南米原産の外来種です。この種類は水草も食べてしまうのでメダカ飼育のタンクメイトとしてはあまりお勧め致しません

メダカ専門店や熱帯魚専門店、金魚専門店等アクアリウムショップで販売されているタニシはヒメタニシが多くメダカとの飼育の相性が良くヒメタニシを中心とした解説をさせて頂きます。

ヒメタニシは主に春先から夏のメダカの本格シーズンになるとアクアリウムショップやホームセンターの観賞魚コーナー等で販売される事も多く入手が可能です。またネットショップでの通販を利用した入手方法もとても便利です。

田んぼや用水路などで採集したタニシを直接メダカの水槽に入れると病気や寄生虫の発生の原因となる場合があります。
採集したタニシは一定期間(2週間程)はメダカと別の容器で飼育してから同居させた方が安全です。

ヒメタニシの食性

ヒメタニシは主にコケや藻類、水中に沈殿する有機物等を舐め取るように削りながら食べています。

その食性を利用してメダカ水槽のガラス面に発生し付着した茶色や緑色のコケを食べて貰い綺麗にして貰うと言う訳ですね。

メダカも多少は藻類等も摂取したりはしますがタニシのコケを食べる能力と比較になりません。タニシや巻貝の仲間が水槽内のクリーナーと呼ばれる所以が優れたコケ処理能力にあります。

また基本的に雑食傾向にあるヒメタニシはガラス面等のコケの他にもメダカの餌の残りやグリーンウォーターの元である植物プランクトン類も濾しとるかたちで食べる事も出来ます。

屋外でのビオトープでのメダカ飼育やメダカの観察がしやすいよう屋外容器の飼育水をクリアな状態で維持したい方にはヒメタニシの同居をお勧め致します。

ヒメタニシを入れる事による効果

茶ゴケや緑色のコケが発生したメダカの水槽は中のメダカも観察し辛く見栄えも良くありません。

そのような環境にヒメタニシを入れる事でヒメタニシの習性を利用したコケ類の除去が可能となります。

また賑やかに泳ぐメダカ達と対照的に黙々と機械的にコケを食べ進めて行くヒメタニシの様子はルンバのようにどこかコミカルでいて興味深く観察してしまいます。特にお子様に人気が高かったりします。

メダカや観賞魚の水槽でコケ類の除去にはタニシ等生物の習性を利用した方法の他にはスポンジ等で物理的に落して行く方法や生物に安全なコケ抑制剤を使用した方法もあります。このあたりは飼育者さんのスタイルに合わせた方法を選びましょう。

他にもヒメタニシは水中の植物プランクトンも濾しとり食べる為、グリーンウォーターを改善したい方にとっても重宝される働きを見せてくれます。グリーンウォーターを透明な状態に改善されたい方は飼育容器2ℓあたりに対しヒメタニシを1匹程入れて様子を見て見ましょう。

あまりにグリーンウォーターが濃い濃度の場合は投入前に半分ほど水換えを行ってから入れましょう。

ヒメタニシ長期飼育 注意点

メダカ水槽にヒメタニシを同居させる場合は飼育水2ℓに対しヒメタニシ1匹を目安に入れて置くと良いでしょう。

水槽サイズが30㎝の場合だと約13ℓはいるので多くても5~6匹が目安です。

飼育水の容量に対しヒメタニシの収容数が多すぎると餌の不足や水質の悪化に繋がり長生き出来ませんので注意が必要です。

次にヒメタニシを導入後、暫くするとコケを食べ終え水槽内が綺麗になった後の食べる物(餌)の問題です。

ヒメタニシは毎日ゆっくりと少しずつ餌を食べ続けます。水槽内がコケで覆われていた状態では餌に困る事がありませんがいざ餌となっていたコケを食べ終えてしまうと今度は食べるものがありません。

田んぼや用水路などでは日々太陽の光が降り注ぎ、タニシの餌となるコケや水中の有機物は日々発生を繰り返しタニシの行動範囲で餌に困る事はほぼありません。

メダカを飼育している水槽は閉鎖された環境で循環を繰り返す状態の為、本来の自然とは大きく環境が異なります。

そこでコケを食べ終えてしまった場合にはヒメタニシにも餌を与えて餓死を防ぎます。

ヒメタニシは基本的に雑食性ですのでメダカの餌も沈んでいれば食べる事が出来ます。

ただメダカの餌を沈ませた状態でタニシに食べさせるには結構多めに餌を入れないと難しく逆に餌が残り水質の悪化に繋がりやすくなってしまいます。

これを回避する為の手段としてシュリンプ専用飼料やプレコフード等の植物主原料のタブレットフードが使いやすくお勧めです。

これらの餌はすぐに沈み水中でも長時間ばらけずにいる為、ゆっくりと餌を齧りながら食べるタニシにも最適の餌と言えます。

与える際は翌日以降に食べ残しが出ないようタニシが少量の場合はタブレットフードを割ってから与えて下さい。

またヒメタニシは冬場は温度に併せて冬眠が可能ですが真夏の高温には注意が必要です。

夏季に水温が30℃を超えるようでしたら日陰に容器を移動したり室内でしたら水槽用ファンを使用し温度上昇の対策を行ってください。

ヒメタニシは状態良く複数匹を飼育していると直系2~3mmの稚貝を直接産んで繁殖する事もあります。稚貝は親貝と同様に育てられます。

良く混同されますが水草などから水槽に侵入するサカマキ貝やモノアラ貝といった巻貝類と違いヒメタニシは水槽内等で大量繁殖し困るような事はありませんのでご安心下さい。

ヒメタニシの寿命は約1~2年程です。メダカとほぼ同等のサイクルで生涯を送っています。

コケを食べ終わった後はヒメタニシにも餌を与えて餓死を防ぎ、夏場の高温に注意をして頂ければメダカの飼育環境を整えてくれる素晴らしいタンクメイトとなります。

是非メダカと一緒に飼育をして興味深い生態を観察して頂けますと嬉しいです。