アメリカ合衆国の中央部から東部にかけて生息しているミシシッピニオイガメ
原産地での気候は日本と同様です。
その為、ミシシッピニオイガメを日本で飼育する場合は一定の条件を満たしている個体であれば冬眠が可能となります。
今回はミシシッピニオイガメの冬眠について解説させて頂きます。
- 冬眠可能なミシシッピニオイガメの条件
- 加温飼育が必要なミシシッピニオイガメ
- 冬眠の行い方
- 冬眠後のケアの仕方
冬眠可能なミシシッピニオイガメの条件
まず始めにミシシッピニオイガメに限らず冬眠を行う際は必ず冬眠が成功する保証はありません。冬季の厳しい自然環境で活動を抑えて越冬をさせる為です。
少なからず、冬眠に失敗してしまうリスクが発生してしまう事も考慮して頂いた上で冬眠を行うか否かの判断をして頂ければと思います。
ミシシッピニオイガメの冬眠を行うには厳しい寒さを乗り切る為の体力が必要です。
飼育下においてこの条件を満たすには
生後約2~3歳以上
甲長10㎝以上に成長した亜成体~成体サイズ
上記の条件を満たしたミシシッピニオイガメが対象となります。
この位の個体であれば冬眠に必要な体力もあるのでゆるやかな温度変化での冬眠状態を行う事が出来れば成功の確率は上がります。
冬眠を行う事によるメリット
なぜ失敗するかもしれない危険を冒してまで冬眠を行うのか?
それは特に成熟した個体で繁殖を行う際に冬眠は必要不可欠なプロセスだからです。
野生下でのミシシッピニオイガメは当然冬の寒い時期は冬眠をします。
春が来て気温が上昇すると活動を再開し繁殖行動を行います。
夏から秋にかけては餌を十分に食べながら冬に備えた体力を作ります。
成熟し大人になったミシシッピニオイガメはこのサイクルを毎年繰り返している訳です。
またカメの仲間が比較的長寿な部分も1年12カ月の内、約3~4カ月間前後の期間を冬眠状態で休める部分も長寿(活動期間がトータルで長い)に大きく影響しています。
加温飼育が必要なミシシッピニオイガメ
加温飼育が必要なミシシッピニオイガメは以下のような個体です。
- ショップで販売されているベビーサイズ
- 生後2歳未満で甲長5~10㎝以内の個体
- 成体でも加温飼育を数年以上続けている個体
- 成体でも体調が少しでも優れない部分があったり、痩せ気味の個体
上記の条件に当てはまる個体は冬眠は避け、室内での加温飼育を行いましょう。
ベビーサイズから幼体はまだ身体が小さく体力も余りないので飼育下での冬眠は行わずに加温飼育を行いましょう。
ペットとしてベビーや幼体の育成を行う際は敢えて厳しい自然環境の再現を行う必要性を余り感じませんので加温し大事に育てましょう。
また成体であっても特に繁殖を目的としない観賞がメインの飼育であれば通年活動出来る温度で飼育する事をお勧め致します。
次に冬眠を経験した事のある個体でもその年の秋までに体調を崩したり、ケガを追ったりと状態に不安が少しでもある時はその年の冬眠は見送り加温飼育に切り替えた方が安全です。
冬眠の仕方
実際の冬眠のさせ方ですが今回はシンプルで状態の確認が取りやすい方法をご説明させて頂きます。
まず冬眠用のケースですが容量が20ℓ~50ℓ程入るプラケースや衣装ケース、コンテナボックス、バケツ等の水が張れる容器を用意します。
水量は多いほど水温変化が少なくなりますので余裕を持ったサイズで行って下さい。
水深は15cm~20㎝程に調整しカメが首を伸ばした時に水面に届くぎりぎり位の深さまで水を入れます。(冬眠中のミシシッピニオイガメは殆ど水中に潜りっぱなしですが、代謝機能が下がっているで大丈夫です)
冬眠用の容器に水とカメを移す時期が関東近郊では10月頃から水温が20℃を下回るような季節になってからで大丈夫です。
まだこの時期の暖かい日などは餌を食べますが控えて置きましょう。
11月頃に近づくと水温も15℃前後になりこの位の水温だと活動が大分鈍くなってきます。
この頃からは餌を与えるのは完全に止めて消化器官を空にする為に絶食させます。
その後は季節に任せて春先まで冬眠させます。(冬眠中の水温は5~15℃前後)
注意点として冬眠用の容器の設置場所は太陽の直射日光の当たりにくい場所や玄関などの温度変化の少ない環境で行って下さい。
冬眠後のケアの仕方
屋外等で冬眠中のミシシッピニオイガメが冬眠から目覚める時期は水温が15℃を超えるような日が継続し始める4月前後から動き始めます。
無事に冬眠を終え活動し始めたら容器を陽の良く当たる場所に移動させましょう。
日中の気温が上がり水温も18℃~20℃前後になると餌も食べ始めるので少しずつ与えて反応を見てあげて下さい。
冬眠明けの個体で気を付けたいのが急激な温度変化です。屋外にいた個体をいきなり室内の加温水槽に入れたりすると温度変化に身体が追い付かずに状態を崩す原因にもなります。
冬眠明けは自然な気温上昇で慣らして行く事が大事です。
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