関東では10月も後半に近づくに連れて気温が段々と低くなり秋から冬へと季節が移り変わる準備をしています。
屋外で飼育中のメダカをそのまま越冬させる時にお勧めなのが今回解説させて頂くグリーンウォーターを使用した冬越しの方法です。
- グリーンウォーターの作り方
- グリーンウォーターを使用した冬越し(稚魚編)
- グリーンウォーターを使用した冬越し(成魚編)
Contents
グリーンウォーターの作り方
最初にメダカを屋外(外飼い)の状態で冬越しをさせる前にグリーンウォーターを用意しておく必要があります。
ベランダやバルコニー、庭先や玄関前等にメダカの飼育容器を設置し日中に最低でも3時間~5時間以上、日光が容器に当たる条件でメダカを飼育していると早ければ1週間~数週間程で自然と飼育水がグリーンウォーターに変化して行く事が殆どです。
これはメダカに餌を与えるとメダカは糞や尿(アンモニア)を水中で放出します。これらがグリーンウォーターの元となる植物プランクトン類の発生を促し透明でクリアな水が段々と緑色のグリーンウォーターとなって行く訳です。
植物プランクトンはメダカの出す養分を分解しながら水中で増殖し、その植物プランクトンをメダカが食べたり、メダカの病気の原因となりやすい水カビ病(真菌類)等の発生を抑制してくれたりします。
グリーンウォーターにならない!出来ない時は?
メダカの屋外飼育でグリーンウォーターが出来ない時の対処方法としては
- 飼育容器を日当たりの良い場所に変えてみる
- 餌を与える回数を増やしてみる
- 最後の手段は液体肥料(ハイポネックス等)
飼育容器を日当たりの良い場所に変えてみる
冬越し前のメダカ飼育でグリーンウォーターが出来ない原因として1つ目は
日照の不足が考えられます。夏季の直射日光に長時間メダカの飼育容器を晒す事は温度上昇に繋がり危険ですが秋季の太陽光でしたら存分太陽の光を当てても大丈夫です。そのような時は思い切って良く陽の当たる場所に飼育容器を移動してみましょう。
また季節により太陽光が差し込む角度も変化して行き、今まで陽に当たっていた場所も季節により日陰になりやすい事もありますので日中の陽の当たり方を季節毎に確認しておきましょう。
餌を与える回数を増やしてみる
冬越し前のメダカ飼育でグリーンウォーターが出来ない原因として2つ目は
水中に窒素分などの養分が不足している事が上げられます。これは冬越し前にメダカの飼育容器のサイズアップを行い水量が増えた状態などの場合でグリーンウォーターになるまで時間が掛かる為です。
メダカの数はそのままで飼育容器の容量が増えるとグリーンウォーターの発生に繋がる養分の蓄積に時間が掛かる為起こりやすい現象です。
この問題の解消には餌を与える回数を増やして水中の養分を増やしていくと自然とグリーンウォーターへと変化して行きます。
このとき餌を残すほど与えてしまうと水質悪化から病気の発生の原因にもなりますので一度に与えるエサの量は食べきれる量にして与える回数を増やしましょう(1日3回前後)
*ただ気温の低くなる越冬前の時期は餌への反応も春夏の時期と比べると余り良くないので日中の気温が高い時間帯に集中してエサを与えられるとベストではありますが日中在宅の方以外の方もいらっしゃると思いますので難しい所でもありますね。
最後の手段は液体肥料(ハイポネックス 等)
メダカの冬越し前にグリーンウォーターを用意したい、直ぐに準備しておきたいと言う方には観葉植物用の液体肥料の使用をお勧め致します。
ハイポネックスや百円ショップで販売されている液体肥料でも大丈夫です。
それらを水10リットルに対して1~2ml程の量を入れ陽の良く当たる所に置いておきましょう。用意する水は水道水でも大丈夫ですが少しでもメダカを飼育していた飼育水の方が早くグリーンウォーターになりやすいです。
諸条件が整えば、秋季の気温15~20℃前後の時期でも3~10日前後でグリーンウォーターが出来ると思います。
またメダカを飼育中の飼育容器に直接液体肥料を添加しても大丈夫ですが原液がメダカに掛からないように入れるか100倍程に希釈してから入れた方が安全です。
グリーンウォーターを使用した冬越し(稚魚編)
グリーンウォーターを使用したメダカの稚魚(約5mm~2cm未満)の冬越し時の注意点ですが大事なポイントがあります。
ヤゴに注意!
屋外のグリーンウォーターでメダカの稚魚を飼育していると段々と稚魚の数が減少していき沢山いた筈の稚魚が気付いたら僅かな数に…といった事態が度々発生します。
そのような事態に見舞われた飼育容器を丸洗いしてみると容器の底からトンボのヤゴが多数出現する事があります。
夏から秋に掛けてトンボは産卵場所を求めて水面を探し回ります。皆様のお住いの地域にも寄りますがトンボを多く見かける地域やメダカの飼育容器の周辺をトンボが旋回していた後は注意が必要です。
特にグリーンウォーターでは水中の視界が悪く容器の底まで見えない場合が多くまた容器の底にソイルや砂利、赤玉土等を敷いた容器ではそれらにヤゴが潜伏している可能性も高くなりますのでより一層の注意が必要です。
心配な方は冬が訪れる前に一度飼育容器のリセットを行いヤゴの確認と除去を行いましょう。
冬季でも日中の暖かい日は餌を与える
グリーンウォーターを使用した稚魚の冬越しですが冬季の場合水温が低いと餌は殆ど食べませんが日中の気温が上昇した日等は水温も上がりそのような条件では稚魚にエサを与えましょう。(目安としては水温15℃位でしたら少量ずつ餌を与えて見て下さい。)
グリーンウォーター自体もメダカの餌となる為、冬季は餌やりの回数は少なくても大丈夫ですが気温に合わせてその都度、暖かいと感じた日にはメダカの様子と餌への反応を見ながら対処してあげると稚魚の冬越しも上手く行きます。
水換えと足し水は水温差に注意!
グリーンウォーターを使用した冬越し中も状況に応じて水換えを行います。
冬季でも餌を良く食べるような時や収容匹数が多い場合等は適宜、水を換えましょう。また空気が乾燥する冬場は水の蒸発が早いので飼育容器の水がどんどんと蒸発し減っていきます。
水位が下がってきたら定期的に水を足してあげる事も必要です。
この時大事なことは水温を合わせてから水を足すという事です。
メダカが寒そうで可哀そうだからと温めのお湯などを足してしまうと急激な温度変化にメダカが対応できずにショック反応を起こして死んでしまいますのでご注意下さい。
また小さい稚魚が心配な場合や早く成長を促進させたい方は室内での加温飼育の選択肢もありますのでご検討ください。
グリーンウォーターを使用したメダカの冬越し(成魚編)
グリーンウォーターを使用したメダカの成魚の冬越しですが基本的な部分は稚魚編と大きくは変わりません。
ヤゴの飼育容器内への侵入を防ぎ、気温の高い日(水温15℃前後が目安)は餌を少量ずつ与える、水温差に気を付けた水換え水足しを行って頂ければ問題ありません。
またメダカを屋外で冬越しさせると特に赤系品種である楊貴妃、三色系(透明鱗三色、非透明鱗系三色)や紅白(透明鱗系、非透明鱗系 紅白あけぼの紅白等)といった品種は赤色部分の発色に深みが増し非常に綺麗になります。
気温の低い冬季はメダカの活性が低下し春~夏程手間も掛かりませんのでメダカ飼育者の方も少し休める時期でもありますね。
自然と共に季節のリズムに併せたメダカ飼育は慣れると本当に手も掛かりませんのでお勧めです。
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