ニシアフリカトカゲモドキはレオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)(以下 レオパ)と共にペットとして初めて爬虫類を飼育する方に人気の高い地表性ヤモリの仲間です。
今回はニシアフリカトカゲモドキの飼育で使用する床材の特性、メリットとデメリットを合わせてご紹介致します。
- 爬虫類用ソイル系床材
- デザートサンド系床材
- コーンリターやコーンサンド系床材
- ウォールナッツサンド系床材
- パインバーク系床材
Contents
爬虫類用ソイル系床材
近年、爬虫類用に市販製品が流通するようになった爬虫類用ソイル系床材は黒土や赤玉土等の天然用土を高温で加熱加工し細かい粒状に固めた製品です。
爬虫類用ソイル系床材 メリット
爬虫類用のソイル系床材のメリットは湿度の調整がしやすく、適度に湿らせた状態では消臭効果が高く、爬虫類飼育時の独特なニオイを軽減してくれる効果もあります。
また粒状に加工されたソイル系床材は赤玉土等の天然用土と比較してケージ内での使用時に粉塵などの埃の発生が少ない部分もメリットとしてあげられます。
見た目の雰囲気の良さと使いやすさからケージのセッティングの際に爬虫類用ソイル系床材を選ぶ方も多いです。
爬虫類用ソイル系床材 デメリット
ニシアフ飼育時において床材で爬虫類用ソイル系床材を使用した際のデメリットは
少なからず発生するニシアフによるソイルの誤飲、誤食による消化器官への影響です。
ニシアフによる床材の誤飲、誤食は様々な状況が重なる事によりどの個体でも起こり得る可能性があります。
床材の誤飲、誤食は口にしてしまった床材などがスムーズに排泄されてニシアフの体外へ出てしまえば大きな問題には至りません。
しかし、床材がニシアフの胃や腸といった消化器官に詰まってしまうと餌の吐き戻しや下痢、便秘といった症状を見せたり突然餌を食べなくなり具合が悪くなるといった状態不良の直接的な原因にも繋がります。
爬虫類用のソイル系床材は加熱加工を施されており、粒子の強度が高くなっています。
天然用土に限りなく近い赤玉土等は粒子が比較的柔らかい為に崩れやすくニシアフ等の小動物でも誤って口にしても砕けやすく飲み込んだ後に消化器官にも詰まりにくく排泄されやすいのですが、ソイル系のように型崩れしにくくする為粒子の強度を上げた機能が逆に口にしてしまったニシアフの体内に留まりやすくなってしまう原因へと繋がります。
その為、爬虫類用ソイル系を使用したニシアフ飼育の場合は定期的に糞をチェックして糞の内部にソイルが含まれていないかの確認を行いましょう。
デザートサンド系床材
デザートサンド系床材は砂漠の砂のような細かいサラサラのタイプのものでホワイト系とレッド系の2タイプが主に販売されています。
デザートサンド系床材 メリット
主なメリットは見た目の華やかさと砂漠のような雰囲気を演出するのに適した素材といった部分があげられます。 以上です。
デザートサンド系床材 デメリット
ニシアフ飼育時においてはそもそも本来のニシアフの生息環境での土壌とは素材の持つ性質に違いが大きくニシアフの好む環境を再現しにくい部分にあります。
西アフリカの熱帯サバナ気候の元でニシアフは本来、日中等は土の穴等の窪みや倒木、大きな石の下などの湿った土に面した部分で休息し、夜間などに餌を求めて地表を徘徊する生活を行っています。
ニシアフは穴が掘れる土壌を主な生息環境としている為に細かすぎる粒子の砂はあまり好みません。
デザートサンド系の床材は粒子が細かくニシアフの目や口、鼻といった顔の周辺や排泄腔付近などに付着しやすく個体によってはかなり嫌がる素振りを見せる事があります。
メリットとデメリットを考慮してもニシアフをこれから飼育を始めようと検討されている方には余りお勧め出来る床材ではありません。
爬虫類の飼育のポイントとして、その種類の本来の生息環境を人工的な飼育環境で必要な要素を再現できるかが重要となります。
コーンリターやコーン系床材
コーンリターやコーン系床材はトウモロコシの廃棄される穂軸を乾燥加工した製品です。
主にハムスターやマウスなどの小動物で使用さる事の多い製品です。
コーンリターやコーン系床材 メリット
このタイプの床材は爬虫類用としてはレオパやコーンスネークといった乾燥を好むタイプの爬虫類の床材として使用される事があります。
本来廃棄されるはずの穂軸を加工し製品化されているので地球に優しくエコな観点は素晴らしく利用価値はありますが、ニシアフに関しては求められる機能で合致できる部分が少ないのでお勧めは致しません。
コーンリターやコーン系床材 デメリット
ニシアフ飼育時においてのこのタイプの床材は乾燥しやすく、湿度調整が難しい(湿らせるとカビの発生に繋がり易い)といった部分があげられます。
次にこのタイプの床材は粒子が軽く固まりにくいのでニシアフの足が床材に潜りやすく、四肢の踏ん張りが効きにくいので歩きにくそうになるといった部分もあります。
本来は土で固められた地表に生息しているニシアフとは相性が良くないタイプの床材です。
またコーンリターやコーン系床材もニシアフが誤飲、誤食の際に消化器官に詰まりやすい形状、素材です。
これらを考慮してもこれからニシアフ飼育を検討されている方にはお勧め致しません。
ウォールナッツサンド系床材
ウォールナッツサンド系床材はクルミの殻を砕いた床材です。ハムスターやマウスと言った乾燥を好むタイプの小動物などで使用されていたりもします。
ウォールナッツサンド系床材 メリット&デメリット
こちらもコーンリターやコーン系床材と同様、本来廃棄される素材を加工したエコな製品としての利用価値があります。
消臭効果も比較的高くニオイを抑える効果はあります。
ただ、ニシアフ飼育時においてはコーンリターやコーン系床材同様のデメリットがあげられます。
ニシアフによるウォールナッツサンド系の誤飲、誤食に関しても万が一の事態をぬぐい切れず、敢えてこちらをニシアフ飼育にはお勧めは致しません。
製品の特性を良く理解した上でのご使用をお勧め致します。
パインバーク系床材
パインバーク系床材は松の樹皮を細かく加工した製品です。主に園芸用の資材としても使用されています。
パインバーク系床材 メリット
パインバーク系の床材のメリットは見た目の質感の良さや適度なサイズと硬さがある為、ニシアフが誤って口にしてもすぐに離すので誤飲、誤食のリスクが低い点でも良い部分と言えます。
濃い赤茶系の色合いも落ち着いた雰囲気を演出できニシアフにもお勧め出来る床材です。
パインバーク系床材 デメリット
ニシアフ飼育時におけるパインバーク系床材の数少ないデメリットと言えば少々入手がしにくい部分と他の床材よりも若干コストが高くつくと言った所でしょうか。パインバーク系床材はホームセンターの園芸資材コーナーやネットショップでも購入出来ますのでそちらのご利用をお勧め致します。
まとめ
ニシアフ飼育に使用する床材選びで大切なポイントは誤飲、誤食のリスクを考えて選んで頂くとその後のトラブルの発生を抑える事となります。
今回の記事がニシアフ飼育時の床材選びの参考となれば幸いです。
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