ニシアフリカトカゲモドキ 人工餌への慣らし方

ニシアフリカトカゲモドキ ニシアフリカトカゲモドキ

レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)(以下 レオパ)と並び近年飼育者の増えてきたニシアフリカトカゲモドキ

今回はニシアフリカトカゲモドキの人工餌への慣らし方を解説させて頂きます。

  • 【ステップ1】最初は反応の良い餌から
  • 【ステップ2】ピンセットからの給餌に慣らす
  • 【ステップ3】ピンセットから人工餌を与えてみる
  • 【ステップ4】人工餌を食べてくれない時の対処方法

【ステップ1】最初は反応の良い餌から

ニシアフリカトカゲモドキ(以下 ニシアフ)を飼育されている方やこれから飼育を始める方は、まず初めに飼育中の個体が好む餌を与えて飼育環境に落ち着かせてあげる事を優先してあげましょう。

ニシアフも飼育開始後1ヵ月程は新しい環境に慣れて貰う必要があります。

この期間はショップで与えられていたものと同じ餌を与え、落ち着かせましょう。

もちろん購入したニシアフが最初から人工餌に餌付いている個体をお迎えした場合は最初の給餌から人工餌を与えて構いません。
人工餌に餌付いた個体に不意に活餌を与えるとその後の人工餌への反応が悪くなる事もあります。
人工餌に餌付き済みの個体に活餌を与えるときはその後の人工餌への反応が悪くなる可能性も考慮した給餌メニューを考えてあげて下さい。

【ステップ2】ピンセットからの給餌に慣らす

次は餌を与える際にピンセットから与えるようにしましょう。

これは可能なら【ステップ1】と同じタイミングで始めると次のステップへと移行し易いので覚えて置いて頂き実行して頂けますと幸いです。

ニシアフへの給餌の度にピンセットから与える事でピンセットの先には美味しいご飯(餌)がもらえると覚えて貰う事で次はいよいよ人工餌を与えて見る段階に移ります。

ピンセットでの給餌のコツは摘まんだ餌をニシアフに与える際に間違ってピンセットを咥えさせないように餌の先を摘まんで与えましょう。
ピンセットは先端がとがっている物は使用しないで下さい。
爬虫類用の先がカーブしたものが使いやすく便利です。

またニシアフは28~30℃前後と比較的高めの温度帯を維持して飼育をした方が代謝が良くなり餌への反応も良くなります。

飼育温度が低いと活性が下がり餌への反応が悪くなる傾向があるので温度設定と温度チェックは日頃から行うようにして下さい。

【ステップ3ピンセットから人工餌を与えて見る】

ニシアフが飼育環境に慣れて落ち着き、ピンセットから餌を問題なく食べてくれるようになったら次はいよいよ人工餌への餌付けを行いましょう。

ニシアフの人工餌はレオパ用の人工飼料が嗜好性と栄養バランスが優れているのでそちらを使用します。

種類としてはGEX エキゾテラ レオパブレンド、キョーリン レオパドライ、キョーリン レオパゲルといった種類が入手し易くお勧めです。

今回特にお勧めする人工餌はGEX エキゾテラ レオパブレンドです。

レオパブレンドは嗜好性の高さと給餌のしやすさも含め人工餌の中でもトップクラスの製品と言えます。

与え方も簡単でレオパブレンドを軽く湿らせてピンセットで給餌する方法が一般的です。

人工餌を与える前に数日間餌を抜いて空腹状態を高める

ニシアフに人工餌を始めて与える前に行う事は数日間の絶食です。

個体の大きさや年齢により絶食期間は異なりますが幼体では3~4日程

生後1年前後のヤングサイズでは5~7日程、生体では7日~10日程が絶食の目安となります。

活性が高く空腹状態になったニシアフは餌を求めて寄って来る個体も居ると思います。

そのような食欲があり餌を求めて来るタイミングで人工餌をピンセットで与えて見ましょう。

最初の一口で問題なく食べてくれれば一応成功です。

すかさず次の人工餌を与えて見て食べてくれるか確認しましょう。

二口目も食べてくれれば一安心です。個体のサイズに合わせてもう少しだけ与えてその日は終了としておきましょう。

初めて人工餌を与える際は与え過ぎに注意が必要です。
慣れない餌を大量に食べると消化不良や吐き戻しの原因になります。
餌の切り替えは慎重に行うように注意が必要です。

さて次に人工餌を最初の一口目で飲み込まずにペッと吐き出したり、離したりしてしまった個体の対処法です。

ニシアフやレオパも育ってきた環境により食べて来た餌の種類などによる餌への好みや許容範囲にかなりの個体差があります。

WD(野生個体)のアダルトサイズのニシアフでもすんなりと人工餌を食べてくれる個体が居たり、CB(繁殖個体)ヤングサイズでのニシアフでも頑なに活餌しか食べてくれない個体も居たりします。

このような時は一旦、今まで与えていた餌をピンセットから与え食べさせてあげて下さい。

もう一回再度今まで与えていた餌を与えたらニシアフが餌を飲み込み終わる前(口を閉じる前)に人工餌を口に入れて見ます。

この時にあまり無理せず難しいようでした次の機会に再挑戦してみましょう。

このようにして徐々に人工餌の味と食感をニシアフに覚えさせていく事で後に人工餌の切り替えに成功する個体も居ますのであせらず気長に取り組みましょう。

【ステップ4】人工餌を食べてくれない時の対処法

ニシアフの中には【ステップ3】のプロセスを踏んでもどうしても人工餌を食べてくれない個体が存在します。

飼育環境も問題が無く、飼育温度も適温(28~30℃前後)を維持、健康状態も特に悪い所も無い、そのような状況でも頑なに人工餌を受け付けない場合はその個体の主張を尊重してあげて下さい。

飼い主さん的には手軽で保存も便利で栄養価も申し分ない完全栄養食としての人工餌を利用したい気持ちも分かります。

ただニシアフ的にはその人工的なエサが生理的に無理な個体も一定数存在する訳ですね。

ペットとしての歴史のまだまだ浅いニシアフにとって人工的なペットフードは未体験の食べ物な訳です。

これから先の未来にニシアフの累代されペット化が進めば人工餌を食べてくれる子孫たちも増えて行く事になると思います。

ですので今は飼い主さんとニシアフ双方が納得できる冷凍コオロギ等の便利で保存し易い餌を選んで及第点とさせて頂く事をお勧め致します。