愛らしい見た目とゆったりのんびりとした動きが魅力的なリクガメ
リクガメの仲間は文字通り陸地を生活の拠点としています。野生では雨の後に出来た浅い水たまり等に浸かり水分を補給する事などもありますが、基本的には水中には入りません。
私たち日本人に馴染の深いゼニガメ(クサガメ)やミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)、ニホンイシガメのように水中と陸地を行き来しているいわゆる水棲カメの仲間とは生活の仕方が異なります。
ペットとしての爬虫類の中でも癒し系として人気の高いリクガメの中でも今回は飼育がしやすい種類を解説致します。
- 初心者でも飼い易いリクガメ3選
- 1.ヘルマンリクガメ
- 2.ギリシャリクガメ
- 3.ロシアリクガメ
- リクガメの入手方法
- リクガメの飼い方
- リクガメの飼育に必要な物
- リクガメの寿命
Contents
・初心者でも飼い易い リクガメ3選
ここでは初めてリクガメを飼う方、またはこれからリクガメを飼ってみたいと検討されている方に向けて初心者でも飼い易いリクガメを3種類紹介して行きます。
1.ヘルマンリクガメ
ヘルマンリクガメとは、爬虫網カメ目リクガメ科チチュウカイリクガメ属に分類されるカメの仲間です。
初めてリクガメを飼う方におすすめの種類がヘルマンリクガメです。
ヘルマンリクガメは南ヨーロッパ諸国周辺が原産国のリクガメの仲間です。
ペットとして2亜種が流通しています。ヒガシヘルマンリクガメと呼ばれるタイプとニシヘルマンリクガメと呼ばれるタイプがペットとして販売されています。
主に流通しているのはヒガシヘルマンリクガメと呼ばれるタイプになります。
野生のヒガシヘルマンは アルバニア、イタリア、ギリシャ西部、クロアチア、スロベニア東部、セルビア、ルーマニア等に生息しています。
一方、野生のニシヘルマンはイタリア、スペイン東部、フランス南部に生息しています。
ヘルマンリクガメは成長した成体サイズで甲長約20㎝前後とリクガメ全体で見れば、小型~中型の部類に入ります。
ペットショップや爬虫類ショップ、爬虫類イベント等で販売されているヘルマンリクガメの殆どは主に欧米で養殖された個体(CB個体)になります。
入手のしやすさと成長後の大きさ、扱いやすさや飼育難易度を考慮して最もペットに向いているリクガメの1種がヘルマンリクガメです。
2.ギリシャリクガメ
ギリシャリクガメとは 爬虫網カメ目リクガメ科チチュウカイリクガメ属に分類されるカメの仲間です。
野生のギリシャリクガメはイタリアからアフリカ、中東にかけて広く分布し多数の亜種に分けられています。
ギリシャリクガメはペットとして古くからコンスタントに日本に輸入がある種類です。
ギリシャリクガメは亜種により最大甲長に差があり甲長15~30㎝程と倍近くの大きさに差があります。
現在、最も一般的に入手しやすいギリシャリクガメは主に中東シリアから輸出されているアラブギリシャリクガメが値段も比較的手ごろで入手しやすい種類と言えます。
3.ロシアリクガメ (ホルスフィールドリクガメ)
ロシアリクガメとは爬虫網カメ目リクガメ科チチュウカイリクガメ属に分類されるカメの仲間です。
別名ホルスフィールドリクガメ、ヨツユビリクガメとも呼ばれアフガニスタン、カザフスタン、トルクメニスタンヨツユビリクガメの3亜種に分けられます。
ロシアリクガメは成体サイズで甲長約20㎝前後になります。ヘルマンリクガメの成体サイズとほぼ同じサイズですので飼育しやすいサイズのリクガメです。
ロシアリクガメは販売価格が比較的手ごろな種類でギリシャリクガメと同様予算から決める場合での選択肢としても選べる種類です。
リクガメの入手方法
リクガメを購入する先としては主に爬虫類ショップ、爬虫類イベントやリクガメ専門店、ペットショップなどがあげられます。
購入時の注意点として このような個体を選ぼう
- 健康な個体を選ぶ
- 良く動いてエサを食べる個体を選ぶ
- 四肢を伸ばしてしっかりと歩く個体を選ぶ
- 目がちゃんと開いている個体を選ぶ
上記のポイントをチェックして健康状態の良い個体を選びお迎えしましょう。
反対に以下のような状態の個体は選ばないように注意が必要です。
購入時の注意点として このような個体は×
- 不健康な個体はNG ×
- 常に目をつぶっている個体は ×
- 鼻や口の周りに粘液が付いている個体は ×
- 四肢の踏ん張りが弱く身体を持ち上げられない個体は ×
- 触った時に反応が弱いような個体は ×
上記のような状態の個体は初心者の方は選ばないようにしましょう。
健康状態に問題が見られる個体は販売者サイドに任せてケアし健康状態に改善が見られてから販売して貰うようにしましょう。
リクガメの飼い方
今回ご紹介しているヘルマンリクガメ、ギリシャリクガメ、ロシアリクガメの3種類は基本的に同じ飼育方法で飼う事が出来ます。
まず必要な物は飼育ケージです。
爬虫類専用ケージや水槽を用意します。
保温の兼ね合いもあるので出来れば最低でも幅60㎝サイズのケージを用意できると飼育がしやすくなります。
ケージの次に用意するのは保温器具です。
バスキングスポットといって日中にリクガメが体温を上昇出来るようにスポットライトを設置します。
夜間は最低温度を保つためにパネルヒーターでケージの下から保温をします。
リクガメには紫外線が必要です。UVAとUVBが照射できるライトの設置も必要です。
適温は日中25~30℃前後、スポットライトの直下は40℃前後
夜間は20~25℃前後を維持出来るようにパネルヒーターを使用します。
パネルヒーターは温度制御機能が付いている物が多く夏場以外では通電させておいて良いでしょう。スポットライトと紫外線ライトは日中使用します。
温度管理が出来たら次は床材の用意です。
床材はリクガメ専用のハスクチップやバークチップ、ウォールナッツサンドなど天然素材の床材やペットシーツ、人工芝など飼育者の飼育スタイルに合わせて選びましょう。
リクガメのエサは?
今回ご紹介しているヘルマンリクガメ、ギリシャリクガメ、ロシアリクガメの3種類は基本的に草食です。
エサとして野菜や野草を主食として与え、副食として果物やリクガメ専用フード等を与えます。
エサとして与えられる野菜は
- 小松菜
- チンゲンサイ
- サラダ菜
- サニーレタス
- モロヘイヤ
- 水菜
- ツマミナ
など葉野菜が主食になります。
また飼育下での成長期のリクガメはカルシウム不足になりやすいのでエサを与える際には市販の爬虫類専用カルシウム剤を適量塗して与えて下さい。
主食の葉野菜は基本毎日食べるだけ与えて下さい。毎朝適量をエサ皿に盛り付け夜に食べ残しを処分し、翌朝に新しいエサを与えましょう。
もりもりとエサを食べるしぐさがとても可愛くエサを食べる瞬間がリクガメ飼育の醍醐味を味わえる一時でもありますのでエサやりには余裕を持って付き合ってあげましょうね。
副食として週に1~2回程の頻度で以下の物が与えられます。
- バナナ
- リンゴ
- ミカン
- イチゴ
- カボチャ
- キュウリ
- トマト
- リクガメ専用フード
上記のエサは副食に留め与え過ぎないように注意が必要です。
主食に対して副食を2割ほど混ぜて与えると嗜好性が上がりリクガメが喜んで食べてくれます。
リクガメのトイレは?糞をしたらどうしたら良いの?
リクガメもエサを食べると糞をします。飼育ケージの中でリクガメの糞が確認出来たらその都度取り除くようにしましょう。
床材の種類にもよりますがハスクチップやバークチップ等の自然素材を使用しているケージでは糞を確認出来たらその部分を捨てます。
ペットシーツ等で飼育しているケージではその都度ペットシーツを交換しケージ内を清潔に保ちましょう。
リクガメに温浴は必要?
リクガメ飼育に良く温浴をさせましょうと記述されている飼育例が見られますが毎日のように温浴をさせる必要はありません。
目安としては1週間に1~2度程の頻度で30~35℃程のぬるま湯を用意しリクガメの体高の半分程度の水深に10分~20分ほど温浴をさせましょう。
温浴を行うメリットとして水分の補給と体温上昇による排便を促す効果があります。
温浴時にはリクガメがフンをする場合が多いです。排便を確認したらすぐに新しい温水に交換してあげましょう。
個体によっては排便した温水を飲んでしまう場合があるので温浴時は飼い主さんはリクガメから目を離さないように時間のある時に行ってあげると良いでしょう。
リクガメ飼育に必要な物
初心者にお勧めのリクガメ飼育に必要な物はこちらです。
- 爬虫類用ケージまたは水槽 60㎝サイズが〇
- 保温用ライト (バスキングライト)
- 爬虫類用パネルヒーター
- 紫外線ライト(UVAとUVBを照射出来る物)
- 床材
- 温度計&湿度計
- シェルター
- エサ皿
上記がリクガメ飼育に必要な物となりますの揃えておきましょう。
リクガメの寿命
初心者の方におすすめのリクガメ、ヘルマンリクガメ、ギリシャリクガメ、ロシアリクガメの3種類は飼育下での平均寿命は約20年前後となります。
健康な個体で飼育環境が安定し、毎日のエサの栄養バランスが良い状態が維持出来れば30~40年前後と長くペットとしての寿命を延ばせますので末永いお付き合いが出来るペットとしてのリクガメライフを楽しんで頂けると幸いです。
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