【初心者向け】ヤマトヌマエビ飼育の注意点 脱走の原因と対処法を解説

熱帯魚

ヤマトヌマエビをネオンテトラやグッピー、コリドラスといった熱帯魚や金魚、メダカと混泳して飼育をしているとある日、突然このようなことに遭遇した事はありませんか?

「ヤマトヌマエビがいなくなる」 

「は?ヤマトヌマエビが何処にもいないのだが」

「ヤマトヌマエビが消えた」

「ヤマトヌマエビが水槽から脱走した」

これらはヤマトヌマエビが持つ特殊な性質と行動から起こります。

今回は水槽からいなくなりやすい脱走名人のヤマトヌマエビの脱走対策について解説させて頂きます。

なぜヤマトヌマエビは脱走するのか?

ヤマトヌマエビは主に熱帯魚ショップやホームセンターの観賞魚コーナー、または生体を扱うネットショップ等で購入が出来ます。

それらのお店で販売されているヤマトヌマエビはそのすべてが自然の環境で採集された個体になります。

その採集されたヤマトヌマエビ達は市場の流通経路に乗って私たちの水槽へと最終的にたどり着きます。

ヤマトヌマエビの脱走にはその採集された元々の自然環境に適応した結果が関係して来ます。

ヤマトヌマエビの生息環境はどのような環境か?

ヤマトヌマエビの本来の自然環境は比較的流れの早い河川です。

このような河川は大小様々な石や流木などが川底を形成しています。

その川底の石や流木などの表面にはヤマトヌマエビが好むアオミドロや珪藻類といった藻類(コケ)が付着しこれらを主に食べて暮らしています。

このような環境は河川の比較的高い位置、中流域からその上流にかけて多く水の流れが比較的早い環境であることがほとんどです。

ヤマトヌマエビの好む環境は水の流れが速いので油断するとすぐに下流へと押し流されてしまいます。

その為、ヤマトヌマエビは水の流れに流されないように足先の部分の取っ掛かりをカギ状に発達させ強い水流に対抗できる部分を発達させました。

ヤマトヌマエビの生活史にも脱走に繋がるヒントが

さらにヤマトヌマエビの生活史、ライフサイクルにおける習性や行動も脱走に繋がる要因があります。

まずヤマトヌマエビの成体は河川で繁殖を行います。

ヤマトヌマエビの成体は卵を河川で孵化も行います。

孵化したばかりの状態はゾエアと呼ばれるプランクトン状の凄く小さいサイズで生まれそのまま河川の流れに任せ一度海へと流れつきそこで成長を行います。

数週間から1ヵ月前後の間、海で成長をし小さなヤマトヌマエビの形に成長をした後は今度は海から河川へと遡上を行います。

この時も河川の流れに逆らって住む場所を上流へと目指す為にも強い流れに負けない為の強い脚力が必要となる訳ですね。

このようなことからヤマトヌマエビは足の爪の掛かりが良く、ヒーターやフィルターのコード類や、エアチューブやフィルターのパイプ、オールガラス水槽の接着部分のシリコンといった僅かな取っ掛かりを伝って上を目指して水槽から脱走してしまう事が多発します。

ヤマトヌマエビはいつ脱走するのか?

ではいつヤマトヌマエビが脱走するのか?について解説します。

これは主に夜間です。特に人の気配も少ない深夜の時間帯での脱走が多いです。

夜中に脱走されてしまったらそれは「気づいたらいない」ことにもなってしまいますね。

これもやはりヤマトヌマエビの本来の習性と行動に基づきます。

自然下でのヤマトヌマエビには鳥や魚などの外敵が沢山います。

これらのヤマトヌマエビの外敵の多くは日中に目で獲物を見つけ捕らえる事が多く外敵に見つかりやすい明るい日中に動いてしまう事はヤマトヌマエビにとっては自殺行為です。

ですので本来ヤマトヌマエビは夜間に活動が活発化します

日中にも活動をしている姿が確認できる為、昼行性かと思われる方も多いと思いますが本来は夜行性といって良いでしょう。

特に餌となる藻類を探したり、河川を遡上して上るといった移動を伴う動きの大半はやはり夜間を中心に行われる事が多いです。

更にヤマトヌマエビは夜間の活動時は多少水から出ても大丈夫な仕様となっています。

これは水深の浅い環境や岩場など水位が一定ではない環境でも移動を行う為の特殊技能です。

このようなちょっと他のエビではあまり見られないクライミング能力(エビとしてはチート機能)を備えています。

このヤマトヌマエビのクライミング能力が水槽からの脱出を行う時の最大の原因となります。

ヤマトヌマエビは普通の行動の一環として登れる所があれば登ってしまう習性(サガ)を持ったエビなのです。

ヤマトヌマエビの脱走対策

ヤマトヌマエビの脱走対策として最も有効な手段は水槽にフタをする事です。

フタをする時は極力、ヤマトヌマエビが抜けられるような隙間も防ぎましょう。

市販のプラふたなどは角がカットされているのでこの隙間もウールマットやスポンジなどで塞いでおくとなお良いです。

数あるエビの中でも(クライミング能力)チート機能を標準装備したヤマトヌマエビ達を侮っては行けません。

【どんなものでも伝って脱出する事が出来るエビ】だと認識して置いて頂くと対策も練りやすいと思います。

もし使用している水槽がオールガラス製等でぴったりとフタが出来ないような状況の時は

水槽内の水位をぎりぎりまで下げて対処する事も脱走対策の一つです。

脱走対策として水位を下げる際はフィルターの使用に支障が出ない範囲で下げて下さい。

水位は蒸発によっても日々下がっていきますので極端な水位の低下はフィルターの停止やヒーターの空焚き等の事故の原因にも繋がる恐れがあります。

周辺機材の使用状況の確認を行いながら行いましょう。

ヤマトヌマエビの脱走について まとめ

今回はヤマトヌマエビの飼育時起こりやすい脱走の原因と対処法について解説させて頂きました。

そこに伝って登れるものがあれば登ってしまう宿命を背負って生きているヤマトヌマエビ達の生態と習性、行動を理解する事で飼育者さんそれぞれの対処の方法も変わってくると思います。

飼育を続けて行くと新たな発見もあり日々驚きの連続もあると思います。

今回の記事がヤマトヌマエビの脱走防止のお役に立てれば幸いです。

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