子供から大人まで、誰もが知っているメダカはペットとして古くから飼育を楽しまれて来ました。
近年メダカは品種改良が盛んで愛好家の方々の間で大変な盛り上がりを見せています。
今回は初心者の方やこれからメダカを飼い始める方に向けて飼育方法を紹介させて頂きます。
- メダカとは? 特徴と生態
- メダカの種類(品種)
- メダカの飼育に必要な物
- メダカのエサ
- メダカの飼い方
- メダカの水換えの方法
- メダカの繁殖
- メダカの病気
- メダカの寿命
- メダカの飼育まとめ
Contents
1.メダカとは? 特徴と生態
メダカとはダツ目メダカ科メダカ属に分類される淡水魚の総称です。
観賞魚店などで販売されているメダカはニホンメダカです。
ニホンメダカは以前は1種類と考えられていましたが2011年に青森県から兵庫県の日本海側に生息している「北日本集団」が別種として記載され
この個体群をキタノメダカ 学名Oryzias sakaizumi として分類されました。
それ以外の地域のメダカをミナミメダカ 学名Oryzias latipes と呼称することが提案されました。
両種の総称としてニホンメダカと呼ばれる事が一般的です。
メダカは品種改良が進んでおり、現在では様々な色彩のメダカを専門店などで見ることが出来ます。
1.メダカの種類(品種)
野生でのメダカは地域により2種類に分類がされるようになりましたがペットとして流通しているメダカには様々な品種があります。
代表的な種類としては
- ヒメダカ
- シロメダカ
- クロメダカ
- 楊貴妃メダカ(ヨウキヒメダカ)
- 幹之メダカ(ミユキメダカ)
- 青メダカ
などがあげられます。品種ごとに解説していきましょう。
ヒメダカ
ヒメダカは現在ペットショップや観賞魚ショップで最も良く見かける品種です。
ヒメダカの起源は古く1780年の「大和本草」にメダカを紹介する文章の中で「一種赤色のものもあり」と記載がされており、それがヒメダカの事を指しているものだとされています。メダカの品種改良の原点とも言えるヒメダカです。
飼育繁殖が容易で小学校の理科の授業や教室で飼育される事も多く誰もが一度はヒメダカに付いて学んだ経験をお持ちでは無いでしょうか?
シロメダカ
シロメダカはここ20~30年程前から観賞魚店等で販売される事が多くなってきた品種です。
ヒメダカの次に見かける機会が多く見た目の良さも手伝って広く飼育される品種となっています。
シロメダカも飼育繁殖が容易で老若男女幅広い世代の方々に親しまれています。
クロメダカ
クロメダカは主に野生のニホンメダカの事を指す場合が多いです。
観賞魚店などで販売されているクロメダカは日本各地で採集された野生個体や養殖された個体なども流通している為、出自が様々な個体がいます。
近年、生物多様性の観点から、元々メダカが生息していた(地域)水系に他の地域から採集した個体群を放流するような事は避けられるようになってきていますので安易な自然への放流は避けましょう。
クロメダカは屋外のビオトープ等で飼育される場合が多く、自然に近い環境を再現した状態で飼育される事が多いです。
楊貴妃 メダカ (ヨウキヒ メダカ)
楊貴妃メダカ(以下 楊貴妃)は朱赤色の目立つ体色から一躍メダカの人気品種となりました。
楊貴妃は2004年に広島「めだかの館」で大場幸雄氏が作出し命名された品種です。
現在ではより赤色に近づけようと日本各地で日々改良が続けられています。
楊貴妃も飼育繁殖が容易で初心者の方にもお勧め出来るメダカの品種です。
幹之 メダカ (ミユキ メダカ)
幹之メダカ(以下 幹之)は背部の独特な光沢が目立つ品種です。
青く光り輝く品種として人気の高い品種です。
幹之が広く知られるようになったのは2007年以降、当初は現在の幹之のように背部全体に光沢は乗らず、一部に光沢が見られる個体から累代繁殖が行われ現在良く見かける背部全体に光沢の乗る幹之へと交配が続けられています。
青メダカ
メダカの品種としてシロメダカと同時期から知られる品種が青メダカです。
青メダカは野生のメダカから黄色素胞が欠除した遺伝子型を持ち体色が青味がかって見えるようになった品種です。
青メダカの第一印象はグレーに近い感じですが良く見るとちゃんと青味がかっていて名前に恥じない品種としての特徴があります。
3.メダカの飼育に必要な物
メダカは基本的には丈夫で飼育の容易な魚です。水を入れても漏れない容器や水槽等で飼育する事が出来ますよ。この項目ではメダカの飼育に必要な物を紹介して行きます。
- 飼育ケース(水槽またはメダカ用鉢)
- 砂利またはメダカ用ソイル
- 水温計
- 中和剤(カルキ抜き)
- 水草
- 観賞魚用ネット
- バケツ
- 水換え用ポンプ
メダカの飼育ケースは出来るだけ大きさに余裕を持った方が失敗が少なく飼育が出来ます。最低でも5リットル前後は水が入る容器を用意したい所です。
ケースの底には砂利またはメダカ用ソイルを薄く敷きます。
飼育ケースに中和剤でカルキを抜いた水を張ります。
水草があればこの段階で入れて大丈夫ですよ。
後はメダカを入れるだけです。ろ過装置の使用はまた別の機会にご紹介させて頂きますので今回はシンプルな飼育スタイルで進めて行きます。
飼育容器の設置場所について
メダカの飼育容器の設置場所ですが室内ならなるべく窓辺の明るい環境に設置しましょう。屋外でしたら午前中に陽が当たるような雨の直接入り込みにくい場所が良いです。
メダカは明るさにとても敏感です。陽が当たらない薄暗い環境は好みませんので明るい場所で飼いましょう。
4.メダカのエサ
メダカのエサは市販のメダカ用人工飼料を使用します。
各メーカーから用途に合わせたメダカ専用人工飼料が販売されていますのでそちらを与えます。
エサの与え方ですがメダカの成魚には基本は1日2回ほど、2~3分位で食べきれる量を与えます。食べ残しは水を汚しますので与え過ぎには注意が必要です。
5.メダカの飼い方
メダカの飼い方の日常管理は日々の餌やりと定期的な水換えにより水質を維持しメダカの健康状態を良好に保つようにします。
エサは日中に与えます、午前中と午後に分けて与えると良いでしょう。
夜はメダカも休息し眠る為、エサは与えないようにします。
メダカを飼育していると飼育水は徐々に汚れて行きます。水質が悪化してくるとメダカが弱る原因となりますので定期的な水換えが必要となります。
水換えの詳しい方法は次項で解説しますね!
6.メダカの水換えの方法
メダカの水換えにあたって注意して頂きたいポイントがあります。
それは 緊急時を除いて全量水を交換しない事 です。
水換えはメダカの生活している水質に変化を与えます。
この水質変化の幅が大きいほどメダカに与える負荷が増えてしまいます。
初心者の方が行いがちな水換え方法として、全量を毎回交換しているケースを良く散見します。この方法は体力のある健康なメダカでは大丈夫な場合がありますが水換え後に突然状態が悪くなったり、突然死の原因にもなりやすいのであまりお勧めできる方法ではありません。
では、どうような方法で水換えを行えば良いか解説して行きますね。
基本的な水換えの方法としては1週間に一度全体量の1/3~1/2を捨てて新しい中和済みの水をゆっくりと注ぎます。
一度に交換する水の量を抑えて急激な水質の変化を抑える事によりメダカへの負荷を和らげると同時に古く汚れた飼育水を入れ替える事が出来る訳ですね。
この方法で水換えを継続出来ればメダカを上手に飼育する事が出来ます。
また、水換えの頻度や量はメダカの飼育密度や季節によっても異なる為、飼育状況に合わせて水換えの頻度を多くしたりする必要があります。
メダカの飼育数が多く水が汚れやすい時や夏場など水温が30℃以上になる時などは水換えの頻度を上げて1週間に2度程、水を換えた方が良いです。
7.メダカの繁殖
メダカはとても繁殖のしやすい魚です。
春先~秋口までは自然の状態に近い飼育環境でしたら産卵も頻繁に行われます。
明け方から午前中に産卵が行われメスのお腹に卵を付けている姿が確認出来たら卵を産み付けやすいように水草や産卵床を飼育ケース内に入れておきましょう。
それらに卵が付けられたらそのまま親とは別の水槽に移すか産卵用隔離ネットなどに移して孵化を待ちます。
約10日前後で孵化した稚魚は2~3日経過すると餌を食べ始めますので稚魚用の細かい餌をこまめに与えて育てましょう。
8.メダカの病気
メダカは基本的には丈夫な魚ですが様々な要因で病気にもなります。
主な原因は水の汚れからの水質の悪化、水温の急激な変化、水質の変化などによりメダカの体力が弱る事により抵抗力や免疫機能の低下が見られ、水中の細菌などにメダカが感染することで病気になります。
メダカが病気にならないように大きな環境の変化などを避けることで回避できる部分もありますが、飼育初期や季節の変化などでメダカの体力が少なくなった時に病気が発生するケースも良くあります。
そのような時は市販の魚病薬を使用します。
メダカの病気の症状に合わせた薬を適量使用し回復に努めます。
また病気の予防策として昔から良く使用されているものが塩です。
飼育水の塩分濃度を0.5~0.8%位に調整するとメダカの健康状態が良くなりやすいです。病気の予防としてまた病気の前兆としていつもとメダカの動きや様子がおかしい時などは早めの塩の投入で改善できる場合がありますので覚えておいてください。
9.メダカの寿命
野生でのメダカは約1年程で世代交代を繰り返しています。
これはメダカという小さな魚は他の生物に捕食されやすく世代交代を早める事で種として生き延びやすくなる生存戦略を獲得しているわけですね。
ペットとしてのメダカは他の生物に捕食されたり過酷な自然環境の変化にさらされにくい為、野生のメダカよりも長く生きやすいです。
飼育下では概ね2~3年前後と野生のメダカよりも長く生存するケースが多いです。少しでも長くメダカが暮らせるような飼育環境を用意して頂けますと幸いです。
10.メダカの飼育まとめ
- 餌やりは1日2回を目安に
- メダカの飼育容器は明るい窓辺や屋外に
- 水換えは週に一度、1/3~1/2を交換する
- メダカの卵は親と分ける
- メダカの調子が優れない時は塩浴がお勧め
上記のポイントを踏まえてメダカの飼育を始めて見ましょう。
今回はろ過装置(フィルター)やエアーポンプなど電気を使用しない飼い方を紹介して来ました。
室内で水槽飼育の方法はまた別の機会にご紹介させて頂きますので宜しくお願い致します。
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