【初心者向け】ミナミヌマエビの飼育と繁殖方法を解説

ミナミヌマエビの飼育と繁殖 熱帯魚

ミナミヌマエビはグッピーやネオンテトラ、ゼブラダニオ等の熱帯魚やメダカ、ドジョウといった魚との混泳飼育も出来る小型の淡水性のエビの仲間です。

良く似た種類のヤマトヌマエビとの違いはミナミヌマエビの方が小型で水槽内での繁殖も容易な点があげられます。

今回は小型で繁殖も容易なミナミヌマエビの飼育と繁殖方法を中心に解説させて頂きます。

それでは解説に行きましょう!\(^o^)/

ミナミヌマエビとは?

ミナミヌマエビは日本の静岡より西の地域に主に生息しています。日本以外では朝鮮半島、台湾、中国にも分布しています。

現在、熱帯魚ショップやホームセンターの観賞魚コーナー、ネットショップの通販等で販売されているミナミヌマエビの中にはよく似た種類の中国が原産のカワリヌマエビ属の別種も混同されて販売されている事もありますが基本的な飼育方法や繁殖方法などはミナミヌマエビと同様の方法で行えます。

ミナミヌマエビのサイズ(成長後の大きさ)

ミナミヌマエビのサイズはオスで約1.5~2㎝、メスで約2.5~3㎝程の大きさです。

これは野生下でも飼育下でのミナミヌマエビでも大きな違いはありません。

ミナミヌマエビは淡水性のエビの中でも小型の種類です。

この小ささが可愛らしく、ミナミヌマエビを飼育したくなる魅力の一つとも言えますね。

ミナミヌマエビの寿命

ミナミヌマエビの自然下での寿命は約1年から2年弱と言った所です。

水槽や屋外でのビオトープに近い環境で安定した環境下では2~3年近く生きる事も珍しくはありません。

ただ、繁殖を頻繁に行う個体は体力の消耗が激しく、短命になってしまう事もあります。

これは少数を長く飼育するか、複数匹で産卵と繁殖を継続させて飼育するかによっても異なる楽しみ方になります。

飼育者さんの好みやスタイルにあったミナミヌマエビ飼育を行いましょう。

ミナミヌマエビの飼育方法

ミナミヌマエビは基本的に丈夫な種類のエビです。

室内での水槽飼育やボトルアクアリウム、屋外でのメダカ容器やビオトープでの飼育といった様々な飼育環境での飼育が可能です。

ミナミヌマエビの水槽飼育の立ち上げ方

ミナミヌマエビを水槽で飼育する時の立ち上げ方について解説をします。

基本的な立ち上げはグッピーやネオンテトラ、コリドラスやゼブラダニオと言った熱帯魚やメダカ、ドジョウなどと一緒に飼う事が多いと思いますのでそれらの観賞魚の水槽立ち上げと同じで大丈夫です。

水槽設置後に液体のろ過バクテリアを投入後、約1ヵ月前後経過すると水質が安定してきます。

ミナミヌマエビを水槽内に入れる時はこのタイミングでお迎えし、水合わせを行い導入をすると失敗が少なく上手く行きやすいでしょう。

ミナミヌマエビの導入のタイミングは立ち上げ後、数週間経過してからがお勧め

ミナミヌマエビを導入するタイミングは水槽以外でのボトルアクアリウムや屋外でのビオトープ、エアレーション無しのメダカ容器に入れる際も設置後数週間程、経過してからの方が水質も安定し始めて来ているのでこの頃を目安に行うと良いです。

水槽立ち上げ直後や初期段階でミナミヌマエビを導入する際は水質が不安定になりやすくあまりお勧めはしません。

不安定な水質ではミナミヌマエビが元気が無い、横になる、ひっくり返るといった弱る原因となりやすい傾向があります。

この水槽立ち上げ直後や初期段階は水質安定効果の高いろ過バクテリアを適量添加し水質の安定化を図りましょう!

ミナミヌマエビの餌

ミナミヌマエビは植物食傾向の強い雑食性です。

この為、アオミドロや茶色の藻、茶ゴケ、黒コケといったコケや藻類が多く発生している水槽や飼育容器では特に餌を与えなくてもそれらを好んで食べてくれます。

逆にコケ掃除を目的としてミナミヌマエビを導入する際はコケや藻等が無くなるまでは人工飼料は控えておいた方が綺麗に掃除を行ってもらえます。

匂いの強い人工飼料はミナミヌマエビにとっても好んで食べる餌です。

その為コケや藻が無くなるまでは好んで食べるタブレットフードなどは控えて置きましょう。

コケや藻を除去して貰えたら与える餌

ミナミヌマエビは基本的には人工飼料はどんなものでも食べます。

メダカと一緒に混泳飼育の時はメダカの餌、ベタと混泳飼育の時はベタの餌といった具合に混泳させている魚と同じ餌だけでも大丈夫です。

その他に好む餌はヌマエビの主食やビーシュリンプ用の専用餌、プレコの餌やコリドラスの餌、クロレラ等のタブレットも良く食べます。

プレコの餌やシュリンプ専用フードなどのタブレットタイプの沈む餌は与えるとミナミヌマエビが集合しみんなでツマツマしながら餌を一生懸命食べる姿が観察出来て見ていてとても面白いのでお勧めです!

タブレットフードを与える時は1時間前後で食べきれる位の分量に割って与えるなどしてあげて下さい。

食べ残しは水質の悪化やプラナリアの大量発生の原因にもなるので気をつけて下さい!

また無農薬の冷凍ホウレンソウや冷凍赤虫などもミナミヌマエビが好んで食べる餌の種類です。

ミナミヌマエビにホウレンソウや野菜、炊いたご飯粒などを与える際は必ず無農薬のものを与えて下さい。

ミナミヌマエビなどの甲殻類は野菜などに含まれる残留農薬に敏感です。

これらの野菜類に含まれている僅かな農薬にもミナミヌマエビは反応して突然死や大量死を引き起こす事があります。

ミナミヌマエビの水温と適温

ミナミヌマエビの生存可能な水温の幅は広く約5℃~30℃前後の範囲でゆるやかな水温変化であれば耐性があります。

ミナミヌマエビの飼育に適した水温は約15℃~28℃前後です。

また、ミナミヌマエビの繁殖に最も適している適温は約18℃~26℃の間となります。

ミナミヌマエビに適した水質

ミナミヌマエビは水質に対しても適応範囲が広くこれもゆるやかな変化であれば弱酸性~弱アルカリ性までと幅広く順応する事が出来ます。

ミナミヌマエビの飼育の際は基本的には中性付近(PH6.5~7.5前後)を維持出来ていれば問題なく飼育から繁殖まで行えます。

ミナミヌマエビは水質の急変を嫌います。急激な水質の変化はペーハーショックと言います。

ペーハーショックを起こしたミナミヌマエビは急に横たわるようになったり、暴れだしたかと思ったら痙攣し突然死をしたりといった原因にも繋がります。

飼育開始時の水合わせは30分以上は時間を掛けて行いゆっくりとした水合わせを行いましょう!

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ミナミヌマエビの繁殖

ミナミヌマエビの繁殖期と産卵時期

ミナミヌマエビの繁殖は常温で飼育をしている場合は主に春から秋口までにかけて行われる事が多いです。

産卵時期は主に4月から9月位までが普通で真夏の高温期は産卵が止まる事も多いです。

熱帯魚用ヒーターを使用し水温が常時26℃程に保たれている水槽等ではミナミヌマエビの健康状態と栄養状態が良いと一年中繁殖を行う事もあります。

水温が20℃以上の状態では産卵が行われやすい状態となります。

ミナミヌマエビ産卵前の行動

ミナミヌマエビは複数で飼育をしていると繁殖期や産卵時期になるとメスの脱皮後に交尾が行われます。

この時、メスの脱皮に誘発されたオスのミナミヌマエビ達が一斉に泳ぎ回るようになったり、狂ったように泳ぐので初めて見た方は少し心配になることもありますが繁殖期や産卵時期の特有のミナミヌマエビのオスによるメスへの求愛行動ですので安心してください!

これらの繁殖行動は数時間~数日で落ち着く事が多いです。

これらミナミヌマエビの産卵前の泳ぎ方を「抱卵の舞」(ほうらんのまい)と呼びます。

ミナミヌマエビの産卵

ミナミヌマエビのメスは交尾を行った後、約2~3週間前後で産卵をします。

また産卵前の前兆としてメスの頭の後ろの部分(エビの味噌の部分)が黒っぽくなっているとその部分が卵の元となる卵巣部分になり、そこの発達具合(卵巣が黒みを増している)での判断も可能です。

卵をお腹に抱えたメス(妊娠中のメス)は卵が孵化するまでの約1か月間、卵に新鮮な水を送り続けます。

この時ミナミヌマエビのメスはお腹の腹肢をパタパタさせている行動が見られます。

ただ常にお腹をパタパタさせている訳では無く水温や水質、水中の酸素濃度が良好な時は落ち着いている事もあるのでメスが抱卵後にパタパタしない時は水槽の環境を見直して異常が無ければ大丈夫です

ミナミヌマエビの卵の色

ミナミヌマエビの卵は有精卵の場合は様々な色に変化します。

これは卵の発生状態や稚エビの成長過程により変化する為です。

その為、黒い卵の状態であったり、緑や茶色がかって見える事もあります。また黄色のような明るい色の場合もあります。

反対にミナミヌマエビの卵が死んでしまっている時や無精卵の時は卵の色は白に近い事が多いです。

また無精卵をメスが脱卵(卵を落とす事)した場合は白くカビが生えたりしやすいです。

ミナミヌマエビの卵の孵化にかかる時間

ミナミヌマエビの卵は産卵から平均して約3週間から1カ月前後で孵化します。

孵化直前の卵は前兆として稚エビの目なども確認できるので目安にしましょう。

もしこの段階でミナミヌマエビ以外にグッピーやネオンテトラといった熱帯魚やメダカ、ドジョウなどと一緒に混泳飼育をしている時はミナミヌマエビの妊娠中のメスとは隔離しておいた方が稚エビの生存率が高くなります。

妊娠中の親エビをサテライトなどの隔離ケースに移すか別の容器で育てるかは飼育スペースを見ながら選びましょう。

卵の孵化に成功したら 

無事にミナミヌマエビの稚エビ(赤ちゃん)が確認出来たら後は親エビと同様の育て方で大丈夫です。

ミナミヌマエビの稚エビ(赤ちゃん)はグッピーやネオンテトラ、ゼブラダニオ、モーリーといった熱帯魚やメダカ、ドジョウなどにとって格好の餌となってしまいます。

ミナミヌマエビの子供がある程度成長するまではこれらの魚との同居は控えて食べられてしまうのを防ぎましょう!

ミナミヌマエビの人気の秘訣に繁殖が容易で育てやすい部分にもあります。

飼育環境が良いと沢山殖えてとても賑やかな光景が楽しめますよ!

ミナミヌマエビ飼育と繁殖について まとめ

常温でも飼育が可能なミナミヌマエビは飼育と繁殖がしやすく、人気の高いエビです。

ミナミヌマエビの行動も見ていてとても面白く時間が経つのも忘れてしまう事も良くあります。

飼育容器やセッティング状況ごとの飼い方などは他の記事でも紹介していきますので宜しくお願い致します!