カナヘビ(正式にはニホンカナヘビ)はトカゲの仲間です。
北海道から九州にかけてとその属島、屋久島、種子島、中之島、諏訪之瀬島などに分布する日本固有種です。
春から秋口には野原や公園、河川敷などで良く目にする身近な爬虫類の仲間です。
今回は私たちにとって身近な存在のカナヘビ(ニホンカナヘビ)について解説をして行きたいと思います。
- カナヘビの大きさは?
- カナヘビの自然での生態
- カナヘビの飼い方
- カナヘビのエサは?
- カナヘビの寿命は?
1.カナヘビの大きさは?どれくらいになるの?
ニホンカナヘビの全長は約15~25cm程
これは頭の先から尻尾の先までの長さです。尻尾を含めない身体(頭胴長)は約5~7㎝程です。
尻尾の割合が身体の大半を占め草や木の枝の間をすり抜けるように動きます。
その姿はヘビのようにも見えるところから可愛らしい蛇「愛蛇(かなへび)」と呼ばれるようになったという説があります。
確かに野外でカナヘビに遭遇すると、しなやかで滑らかにまるで草木を縫うようにするりと動く姿は、瞬間的にヘビを思わせる動きを魅せてくれます。
因みにニホンカナヘビの尻尾は乱暴に持ったり掴んだり強い刺激を加えると切れます。自切といって外敵から身を守る為の捨て身の戦略です。
切れた尻尾は再生してきますがカナヘビ自体に沢山のエネルギーが必要になる為むやみやたらに尻尾を切らせないように注意しましょう。
2.カナヘビの自然での生態
ニホンカナヘビは主に生息地の低地から低山地の林縁部や草地に住んでいます。
緑の多い人家の庭先や公園などでも度々姿を見かけた事がある方も多いのではないでしょうか?
分布域が広く場所により主に3月下旬~11月にかけて活動し日中は日光浴をし体温を上昇させてからエサを食べ、地表や葉上、低木で活発に行動します。
夜間は葉上や葉陰、石の下や倒木の下、低木の枝先などで眠ります。
冬場は石の下の土中や倒木の中、石垣の隙間など安全で適度な湿度が保たれた環境で春先まで冬眠をします。
繁殖期は3~5月頃から始まり8月の初旬頃まで続きます。
産卵は1年に数回行われ、1回に2~6個程の卵を土の中に産みます。
卵は約2か月程で孵化し夏頃に幼体のカナヘビを見かける機会が増えてきます。
3.カナヘビの飼い方
ニホンカナヘビを捕まえた!是非飼ってみたい!
生き物好きならそんな衝動に駆られたことももちろんあると思います。
小さなカナヘビは大自然の秘密が一杯詰まっています。
カナヘビを飼い、その生態を知ることは自然を深く知る事にも繋がっていくわけなので貴重な経験になります。
この項目ではニホンカナヘビの飼い方を紹介して行きます。
- カナヘビを飼うケージを用意しよう
- カナヘビの床材を用意しよう
- カナヘビの活動に必要な光
- カナヘビのエサ
- カナヘビも喉が渇く
まずはニホンカナヘビが暮らしやすいケージ(ケース)の用意から!
ニホンカナヘビは立体的に広い範囲を生活圏としています。
長生きさせるにはなるべく出来るだけ、可能な限り広いケージ(ケース)を用意しましょう。
大型のプラケース(30㎝以上)もしくは45㎝~60㎝以上の爬虫類ケージもしくはガラス水槽等が用意できると良いです。
ガラス水槽の場合はステンレス等の網蓋も用意し脱走に注意しましょう。
次にニホンカナヘビ用の床材をケージの中に敷きます。
床材は湿っても大丈夫な素材が良いです。パームマットやココピート
爬虫類用ソイルや赤玉土等を3~5㎝位の厚さでケージに敷き詰めます。
床材を敷いたらケージ内に流木や枝、石などをレイアウトしニホンカナヘビが住みやすい環境を整えます。
もしニホンカナヘビを捕まえたり、見かけたりした場所を覚えていればどのような環境だったか思い出して参考にしてみても良いと思います。
ケージ内のレイアウトが完成したらケージを設置する場所です。
ニホンカナヘビには太陽の光が必要です。
ケージの設置場所は窓際等の太陽の光が当たる環境に設置しましょう。
但し一日中太陽の光が当たり続けるのは危険です。
カナヘビの体温が上がりすぎてオーバーヒートしてしまう危険性があります。
午前中から午後の早い時間帯まで日が当たるような環境にケージを設置出来れば良いのですが太陽の光は常に同じ角度から当たる訳では無いので中々難しいですがベストな条件を探してみましょう。
そんな太陽の光を宛てにしていられない!部屋の間取り的にどうしても無理ゲー!そのような方たちにもカナヘビを飼育出来る便利なアイテムがあります。
爬虫類用紫外線ライトという便利な照明がありますのでこれを利用すると太陽光の代わりになりますので太陽光問題にお悩みの方は是非使用してください!
重要な太陽光問題を解決出来たら次はカナヘビのエサです。
飼育下ではニホンカナヘビには
- ヨーロッパイエコオロギ
- フタホシコオロギ
- レッドローチ
- ハニーワーム
- ミルワーム
などが主食として利用できます。
ピンセットでエサを摘まみ与える事に慣らすとレオパードゲッコー専用フードなどの人工飼料に馴らす事も可能です。
エサ昆虫等にはカルシウム分が不足しがちです。爬虫類用カルシウム剤などの添加も定期的に行いましょう。
エサの確保が出来たら次は水分補給です。
カナヘビも喉が渇くと水を飲みます。ケージ内に浅い水入れを常設し綺麗で新鮮な飲み水を与えましょう。
また湿度を一時的に上げると脱皮などの代謝もスムーズに行われる為1日に1回は霧吹きでケージ内を軽く湿らせてあげましょう。
自然下では朝露や夜露、雨などで湿度が上がる条件が繰り返されます。このサイクルをカナヘビが住むケージにも再現してあげると良いでしょう。
5.カナヘビの寿命は?
ニホンカナヘビの寿命は約5~7年前後です。
個体の健康状態と飼育環境が安定していれば10年近く生存する個体もいるようです。
是非ともニホンカナヘビが長生きできるような飼育環境を目指してあげて下さいね!
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