アメフクラガエルはお饅頭のような見た目から饅頭蛙とも呼ばれ人気があります。
ただアメフクラガエルはペットとしての歴史がまだ浅く十分な飼育データも少ない状況です。
ですのでアメフクラガエルの飼育には原産地の気候や生息環境を再現する必要があります。
今回はこの不思議な容姿の可愛いアメフクラガエルの詳しい飼い方を解説致します。
Contents
1.アメフクラガエルの原産国は?
アメフクラガエルの原産国はモザンビーク以南のアフリカ大陸になります。
アフリカの大地の中に住んでいる変わったカエルの仲間です。
日本には例年冬季にかけて南アフリカから輸入され爬虫類専門ショップ等で販売されています。流通している個体は野外採集個体(WC)が殆どです。
アメフクラガエルは可愛らしい容姿からファンが多くカエルの中でも人気種の一つです。
アメフクラガエルの入荷時期
アメフクラガエルは一年中爬虫類ショップやペットショップ等で見かける種類のカエルではありません。
ほぼ毎年、アメフクラガエルの原産地であるモザンビークやその周辺エリアの南アフリカでアメフクラガエルの繁殖期になると地表にアメフクラガエルが現れるのでそれらを専門の採集業者が捕獲し、日本を始め世界中の国の専門業者向けに発送されます。
日本でのアメフクラガエルの入荷時期は例年冬の時期、11月から翌年の2月前後を中心に南アフリカから到着した個体が爬虫類専門ショップやネットショップ、ヤフオク等の通販でも生体販売が行われているので確実に購入を検討されている方はこの時期に探すと見つかりやすいです。
アメフクラガエルなどのカエルやイモリ、ウーパールーパーといった両生類は現状では通販による生体販売が利用可能です。
*亀やトカゲ、ヘビ等の爬虫類は動物愛護法により対面販売が義務付けられている為、原則的に通販のみで販売購入する事は出来ません。
アメフクラガエルの販売価格と相場は?
アメフクラガエルのショップでの販売価格や相場は流通量と頻度により変動が見られます。
これは現段階では流通しているアメフクラガエルのすべてが野生採集個体(WC個体)であることに由来します。
沢山採集できた年は販売価格も多少安くなりますが反対に繁殖期でもほとんどアメフクラガエルの採集が出来ずに取れない時や原産国の事情で輸出が出来ないような年も、もちろんあります。
このような時はアメフクラガエルの流通価格も上昇していきます。
2018年~2020年前後で見るとアメフクラガエルの販売価格は約¥15.000~¥20.000-前後で販売されている事が多いです。
今後は世界的に見てもアメフクラガエルに限らず野生動物へのペットトレードへの規制と原産国での環境保護と資源保護の観点からもますます野生採集個体(WC個体)の国際間での取引は難しくなって行くのは必然的な流れと言えます。
今後もこの可愛いくて珍しいアメフクラガエルをペットとして飼い続ける為には長期飼育方法の確立と飼育下での累代繁殖(CB化)が喫緊の課題となります。
アメフクラガエルを飼育中の方は貴重な天然資源としてのアメフクラガエルを預かっているという覚悟を持ってより良い飼育方法の確立と情報のシェアが出来るように頑張りましょう!
2.アメフクラガエルのエサは?
アメフクラガエルは地中生活を行います。原産地では普段は地中に潜り、雨が降ると地表に出て来て餌を食べ、また地中に戻るといったサイクルで生活を行っています。この時アメフクラガエルは原産地では主にシロアリなどの小昆虫を食べています。
アメフクラガエルを飼う上でシロアリを与え続けるのは入手と保存の面から見ても中々難しいです。
そこで飼育下では主にイエコオロギのSサイズやSSサイズを与えます。
- ヨーロッパイエコオロギSサイズ
- ヨーロッパイエコオロギSSサイズ
- フタホシコオロギSサイズ
- フタホシコオロギSSサイズ
上記がアメフクラガエルを飼育する時に与える餌になります。
アメフクラガエルは雨後の僅かなチャンスに地表に出て来て大量に発生してきた小昆虫を食べまた次回の雨まで地中に潜伏する生活をしています。
アメフクラガエルは飼育下では毎日のようにエサを与えなくても大丈夫です。
1~2週間に一度、アメフクラガエルの個体の大きさに合わせたコオロギを食べるだけ与えましょう。
アメフクラガエルはエサのあげ方にも一工夫が必要です。
普段はケースに土を敷いてやや乾燥気味の状態で飼育しますがエサの前に霧吹きで土を湿らせると地表に出て来ますのでその後にコオロギを与えるようにします。
また霧吹きして土を湿らせても地表に出て来ない場合もありますのでそのようなときにはアメフクラガエルをそっと掘り出しプラケースなどに入れてそこにコオロギをばらまいて食べさせる与え方もありますので個体に合わせてエサの与え方も変えてみてあげて下さい。
与える量ですが体長3~5㎝前後の個体では1回のエサやりでSSサイズのコオロギを30~50匹前後食べたりします。
アメフクラガエルはエサを食べられる時に十分食べ、次にエサを食べられるまで待つスタイルをとりますので飼育しているアメフクラガエルの個体の状態を良く見ながらエサの量と与える頻度を調整してください。
3.アメフクラガエルの飼育環境は?
アメフクラガエルの飼育環境は至ってシンプルです。
必要なアイテムは
- プラケースまたは爬虫類用ケージ、水槽
- 土(黒土、爬虫類用ソイル、赤玉土(極小粒)
- パネルヒーター
- 水入れ(浅め)
上記のアイテムを揃えればアメフクラガエルは飼えます。
アメフクラガエルの飼育温度
アメフクラガエルの飼育の際の適温は24℃~28℃前後となります。
アメフクラガエルは気温の変化の少ない土の中で大半の時間を過ごす為、温度変化は小さく抑えてあげる事が大事です。
気温の下がる時期はパネルヒーターを飼育ケージの下から温めて保温する方法が一般的ですがケージ内の床材を20㎝以上の厚さで使用する時はケージの背面や側面にパネルヒーターを貼り、保温を行うと良いです。
アメフクラガエルの床材選び
重要なのは土の種類の選定です。なるべく本来の生息環境に近い材質の土が適しています。
アメフクラガエルの長期飼育例で多く使用されている物は園芸用の黒土です。
素材の肌理が細かく柔らかいのでアメフクラガエルが潜りやすく皮膚も傷つけないので現段階ではベストな床材では無いでしょうか。
また黒土や赤玉土を原料としたソイル系の床材も使いやすくアメフクラガエルの飼育者さんで使用されている方が多い床材です。
床材はケージ内に厚く敷きます。出来れば15~20㎝位の厚さで敷き詰めます。
最底辺部から5㎝位は湿度維持のため湿らせます。この時上層に向かうほど乾燥しているように深さによって湿度が異なるような設定を行えばアメフクラガエル自身に好みの湿度と深度を選ばせることができます。
4.アメフクラガエル飼育にあたっての心構え
土をただ眺め、そこにアメフクラガエルが潜っているだけで幸せを感じる力
見た目の可愛らしさからとても人気の高いアメフクラガエルですが基本は土の中で過ごしています。
その愛らしい姿を見ることはエサやりの時位
頻繁に掘り起こしてしまうとアメフクラガエルにストレスが掛かるのでそこはぐっと我慢して頂くしかありませんね。
アメフクラガエルを飼育するということは殆どの時間を土と向き合うだけの刹那の関係です。
アメフクラガエルの習性を十分理解したうえで、それでも傍に置いておきたい、たまにでもいいから元気な姿を拝みたい、そのような忍耐力をお持ちの方でアメフクラガエルと生活を共にしたい方のみがお迎えできる特異なカエルそれがアメフクラガエルです。
生態に未だ解明されていない部分があり飼育下での繁殖例も聞かれませんが熱心な愛好家の方々の努力のおかげで長期飼育例は増えて来ていますので飼育下での完全繁殖も近い将来成功しそうで期待が持てますね。
アメフクラガエルのビジュアルや造形を楽しみたい方は
ここまでこの記事を読まれた方でアメフクラガエルの生体の飼育が難しそうと感じた方は今回は諦めて置いても良いと思います。
アメフクラガエルのビジュアル的な可愛さを眺めていたい方には沼津のあわしまマリンパークから販売されているアメフクラガエルのぬいぐるみタイプのキーホールダーが超絶可愛くお勧めです!
アメフクラガエルが好きな気持ちは生体を飼う事だけとは限りません!
好きな物を常に近くで感じていたい方には最適のアイテムですよ!
アメフクラガエルの寿命
アメフクラガエルの寿命ですが野生下では5~10年前後
アメフクラガエルの特殊な生態を理解しないで飼育をしてしまうと段々と痩せて行き餌を食べなくなりやがて死亡してしまう結果にも繋がります。
アメフクラガエルはカエルの中でも飼育難易度は中級者以上となります。
そのような方でも多くは購入後1~2年以内でアメフクラガエルの飼育を終わらせてしまう事も多いようです。
飼育下でもまだ十分なデータが不足していますが5年前後が飼育記録としては長い方ではあります。
特殊な生態の為、まだまだ長期飼育例の少ないアメフクラガエルですが習性を理解し飼育技術の向上が進めば飼育繁殖の詳細が今後もっと増えてくると思われますので期待しましょう。
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