日本全国の田んぼや水辺周辺の草むら等で誰もが一度は見たことのある小さなカエル、その種類はニホンアマガエルの場合が殆どでしょう。それくらい日本人に身近なアマガエルの飼い方をご紹介して行きます。
- アマガエルとは?
- アマガエルのエサ
- アマガエルの飼育ケース
- アマガエルの飼育に必要な物
- アマガエルの季節に合わせた飼育方法
- アマガエルの寿命
Contents
1.アマガエルとは?
アマガエルは正式にはニホンアマガエルと呼びます。(以下アマガエル)
学名はHyla japonica 両性網無尾目アマガエル科アマガエル属に分類されるカエルの一種です。成体の全長約2~4.5㎝程の小型種でメスの方がやや大きくなります。
日本全国に分布し中国東部や朝鮮半島にも分布しています。
主に水田周辺や池や沼、流れの緩やかな河川周辺の草地や樹木の周辺などを生活の場にしています。
野生のアマガエルの活動期間は春から秋にかけて活発に活動し春先以降に水田等水辺で繁殖が行われます。
アマガエルの鳴き声は「ゲッゲッゲッゲッ」または「クワックワックワッ」と連続で鳴き夜の田んぼなどで一度は聞いたことのある鳴き声だと思います。ちなみに鳴いている個体はすべてオスです。
アマガエルの皮膚には細菌や外敵から身を守る為の毒が分泌されています。
通常手で触る分には特に問題有りませんが皮膚に傷があったり、アマガエルを触った手で目を擦る、口の中を触るなど粘膜などに接触すると激しい痛みや腫れを起こす原因となりますので注意をしましょう。
アマガエルを触った後は速やかに石鹸で手を洗いましょう。
2.アマガエルのエサは?
アマガエルの主食は小さな昆虫です。
野生のアマガエルは様々な種類の小さな昆虫を食べて暮らしています。
もしアマガエルを飼育するとなったら爬虫類や両生類の餌用として販売されているコオロギの使用が便利で入手もし易いので良いでしょう。
- ヨーロッパイエコオロギ(S~SM)サイズ
- フタホシコオロギ(S~SM)サイズ
- レッドローチ(S)サイズ
- ミルワーム(バードワーム)
上記がアマガエルの餌として入手のし易い餌昆虫となります。
通販や近くのペットショップや爬虫類ショップなどで入手し与えましょう。
アマガエルにエサを与える際にはエサ昆虫の大きさにも注意が必要です。
アマガエルはあまり大きなサイズの昆虫は好みません。アマガエルの口に入るサイズより若干小さめのサイズの昆虫を与えましょう。
アマガエルの幼体(オタマジャクシから上陸したてのサイズ)はコオロギの一番小さいサイズ(ピンヘッドと呼ばれるサイズ)が必要となります。
エサはアマガエルが幼体(1~2㎝)の時は毎日食べるだけ与えて大丈夫です。
成体のアマガエル(3~4㎝)には2~3日に一度食べるだけ与えて下さい。
エサの昆虫は直接アマガエルのケース内に放しても構いませんがピンセットで1匹ずつ食べさせるようにしても良いでしょう。
ピンセットからエサを食べる事に馴らすと後に冷凍コオロギや人工フードに慣らしやすくなりますのでエサのバリエーションを増やす事が出来るようになります。
飼育下だとカルシウムやビタミン類が不足しがちです爬虫類用のカルシウム剤やビタミン剤がアマガエルにも使用できますのでこれらを定期的にエサの昆虫に塗して与えます。
目安としてカルシウム剤は少量ずつなら毎回でも可、ビタミン剤は1週間~10日に1度程の間隔で与えましょう。
3.アマガエルの飼育ケース
アマガエルの飼育ケースでお勧めな物がプラケースです。
中型以上のサイズでアマガエルが立体活動がしやすいように高さのあるタイプがお勧めです。
プラケース以外ですと爬虫類用ケージのハイタイプの物も仕様が便利です。
通気性が確保できて中が見やすいものを使用するとアマガエルが観察しやすいです。
ケースの中にはカエル用のソイルや赤玉土等の用土を敷くかキッチンペーパーを使用し軽く湿らせます。
用土を使用する場合は月に一度程、糞などで汚れた用土を定期的に交換します。
キッチンペーパーの場合は週に1~2度程交換しケース内を清潔に保ちます。
ケース内にはアマガエルが落ち着けるようにポトスなど丈夫な観葉植物や人工の植物等を配置し、流木なども立て掛けておくと落ち着きやすくなります。
また、アマガエルが浸かれるように水容器も設置します。
アマガエルは水容器内で糞やオシッコもするので水は毎日交換してあげましょう。
アマガエルなど両生類の仲間にとって水は生命線です。常時綺麗な水分が補給できるように心がけてあげると長生きしやすいです。
4.アマガエルの飼育に必要な物
- 飼育ケース(プラケース中型高さのある物もしくは爬虫類ケージ)
- 水容器
- カエル用ソイル 赤玉土等用土 もしくはキッチンペーパー
- 観葉植物もしくは人工植物
- 流木 シェルター類
- 温度計 湿度計
- 霧吹き
上記のアイテムが揃えばアマガエルの飼育がスタート出来ます。
5.アマガエルの季節に合わせた飼育方法
野生のアマガエルは春から秋にかけて活動します。
両生類の仲間のアマガエルは変温動物といって外気に体温が左右される為、活動に適した気温が保たれている時期に活発に行動します。
アマガエルを飼育する場合もこの気温のチェックは重要です。
アマガエルの活動が出来る気温は約15~30℃の間を主な活動温度とします。
春先から晩秋までは常温に近い状態での飼育が可能です。
関東地方ですと大体4月中旬から11月下旬位までがこの時期にあたります。
アマガエルの冬眠準備と注意点
平均気温が10℃前後の冬場はアマガエルは地中に潜り冬眠をします。
飼育しているアマガエルも気温が下がる冬場は冬眠を行いますのでパネルヒーターなどで加温せずに飼育する場合は冬眠の準備をしましょう。
冬眠の準備としては飼育ケースの2/3位の深さまで湿らせたミズゴケを入れアマガエルが好きな深さまで潜れるようにします。
アマガエルがミズゴケの中に潜り暫く地上に出て来なくなったらケースごと室内の暖房の影響のない場所(玄関やトイレ、ベランダ、物置の中など)に春までおいておきましょう。
アマガエルの冬眠時に注意したいのが極度の乾燥です。
日本の冬は乾燥しやすく湿らせたミズゴケも1~2週間で表面が乾燥してきます。ミズゴケ全体まで乾燥が進むとそのままアマガエルもカラカラのミイラになってしまう冬眠失敗例が多発しますので冬場も冬眠中のアマガエルの事を忘れずに定期的に湿度の状態をチェックし春の目覚めまでしっかりと見守ってあげましょう。
- 4月~11月 活動期 通常飼育
- 12月~4月 冬眠期 冬眠状態を維持(乾燥注意)
6.アマガエルの寿命
野生でのアマガエルの寿命は3~5年前後、他の生物に捕食されたり自然の天候など気象条件等に左右されなければもう少し長く生きるものと思われます。
ペットとしてのアマガエルの平均寿命は約5年、安定した飼育環境で栄養状態に気を付けて飼育を続ければ10年前後生存も可能です。
小さな体で元気に活動するアマガエルは身近なカエルの仲間として、とても魅力的です。是非アマガエルを飼育する機会に恵まれた方はこの小さな生命を大切に扱って頂けますと幸いです。
最近のコメント